taggaの日記: 昭和初期の生活算術系
小学教員向けの本。東京高等師範学校の教官だけど、付属小の訓導(教諭)だったはず。
- 稲次 静一. 1929. 『算術教材の建設と吟味と指導』上巻. 東京: 郁文書院. http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1461984
藤沢の黒表紙は、計算問題、しかも暗算がメイン。 塩野の緑表紙は、応用問題がメイン。後者の方向性のもの。pp.70-71:
(五) 立式の指導
適用算術が見出されたならば、ここに解式を立てることになる。
解式とは頭の中で考えた問題をと順序を形の上に表したものである。 併し乗法及び除法の解式は加法及び減法とは異なって乗数及び法[注: いくつ分]が特に無名数となる形式上の規定をその理由から明にせねばならない。
例えば
「1列に9人ずつ並べば皆で幾人ですか」
という問題の解式は
9人×3列ではいけなくて 9人×3 でなけれならない。それは若しこの問題を乗法式を用いず解こうとするならば当然
9人+9人+9人なる同数累加の式を得るであろう。 乗算式はこの同数累加の加法式を簡便化したものに過ぎないから それは当然
9人×3とならざるを得なくなるのである。斯様に乗法式は常に同数加法式から導くようにするならば乗法の不名数なることが、 自然に理解されるものである。
身近にある数量の関係から入ろうという考えなのだけど、 数学的には継続していて、名数×不名数でないといけないという立場。
なお、このちょっと前の部分。p.61:
{ 10人 + 10人 + 10人 = 30人 }
式 { 10人× 3 = 30人 } の発表同時にその思考過程、即
{ 3人 × 10 = 30人 } ちこの解式を得た理由をも。
というふうに3行に人を並べたときに、行で見るときの式と、列を見るときの式がある。板書のときに人を◯にして並べている。
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