taggaの日記: 逃避で『数の概念』 1
日記 by
tagga
- 高木 貞治. 2019[1949]. 『数の概念』(ブルーバックス). 東京: 講談社.
我々はついに「頭おかしい」を誉め言葉として使う機会をえた。 これを新書にしようと考えた講談社……。
中身はすっきりとは言えないが明快である。 とはいえ、多くの人は集合の言葉で整数を作っていく1章で挫折するのではないかと危惧する。 秋山先生の解説は高木の為人を説明していて、数学を説明してくれないので。 すっきりと言えないのは、意図的に行きつ戻りつしているから。
個人的には、逆順で読んでいくことを勧める。 附録(実数論の元ネタ)、3章「実数」、2章「有理数」、1章「整数」の順である。 1章では、よくある自然数を作って整数を作るのではなく、いきなり整数を作っている。 そのため減法がすっきりとしている。その反面、0の特殊性が見えにくくなっている。
なんで逆順を勧めるかというと、慣れない人には1章が分かりにくいだろうということと、 量との関連である。 この本は数についてで、量との関係が本論では見えにくくしてあるのだが、 逆に読んでいくと、加法へのこだわりと量の関係がすけてみえる気がする。 1次元の線形空間のスカラー倍の数体として実数がでてきて、近似の有理数、その元の整数という流れ。 これは僕が行間を読みすぎているからかもしれない。
1章はきれいなのだけど、そのきれいさが2章以下で活きているのかは、疑問。 「計量数」(集合数、基数)の自然数を作っていく方が、僕ははまる気がする。
;; 昔のインテリなので、英独仏はいきなり使う。
Landau (スコア:1)
の本、序で触れられていますが、こちらの方が読みやすいですね。整数から始めるのは本書以外知りません。ブルーバックスに入るとは想像だにしませんでした。