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日記

tmkzrの日記: 安全なレベルの放射能などない 3

日記 by tmkzr

釣りタイトルで申し訳ないが、当然安全なレベルの被ばく放射線量は存在する。 基本的に自然放射線のレベルがそれで、様々な文献によれば世界平均で年間2.4mSvである (この数字は外部、内部両方の被ばくを含む)。 除染対策も基本的にはこのレベルを目指して行われる。 この文言を見つけたのはWSJの以下の記事の中である。

【肥田美佐子のNYリポート】「やっぺはぁ!」―福島の市民団体が子どもたちへの支援を訴えNYで講演

この記事の中で、

会場の前方に張られた黒い紙には、 「There is no safe level of radiation(安全なレベルの放射能などない)」 という白抜きの文字が踊っている。

となっており、医学や科学、技術を知る人間は、これを見た瞬間に帰ってしまうかもしれない。 他にも

すでに鼻血や頭痛などの症状が出ている子どももいるが、 低線量被ばくのデータがないだけに、因果関係を科学的に証明するのは難しい。

引用でなく地の文で、このような記述がある。 とにかく分かるのは、この市民団体と肥田氏 が、放射線やその影響に対する知識が少なく、ほとんど無いも同然である、ということだ。 このような文章を書く時点で、科学的、医学的な信頼性は皆無である。 詳しくは内科医の解説まとめtogetter を参照してほしいが、 今回の福島の一般市民の被ばくのレベルでは、 急性障害が出るレベルの100分の一から1000分の一程度であり、 本当に放射線の急性障害で鼻血が出たら、その内の何割かは 鼻血が出た後に死んでいないと経験的、理論的におかしい。

おそらく、放射線のしきい値のある影響や、 放射線が人体に影響を及ぼすプロセスを 全く知らずにこのような文章を書いているのだろう。 フリージャーナリストの記名記事なので、 このような適当なことが書けてしまうのかも知れないが、 それにしてもメディアの科学的知識の無さは目に余るものがある。

蛇足だが、文頭の

“やっぺはぁ!”というのは、 『もうがまんできないから、自分たちでやるしかない!』という意味です。

これも福島で生まれ育った身としてはどうも座りが悪い。 “やっぺはぁ!”という言葉は、直訳すれば「やろうよ、もう」ぐらいの意味で、 「がまんできないから」「やるしかない」とかいうニュアンスは薄い。 郡山と福島で違うのかも知れないが....

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アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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