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tsuyaの日記: 時事ネタ: WBC日本代表は原監督

日記 by tsuya

一応今までの話と無関係ではない話題として、WBC日本代表監督にジャイアンツの原監督が就任することになった件について触れよう。星野仙一氏が選ばれそうだという報道が広まったところで、シアトル・マリナーズのイチロー選手の発言が大きく情勢を変えたわけだが、ゴルフやテニスのように選手がコーチを雇う個人競技ならいざ知らず、団体競技である野球のしかも日本代表監督の選任に一選手の発言が大きな影響力を示すのは異例である。これはNPB関係者が、WBCに臨む態勢における自信のなさを半ば自白したもの、と考えてよいだろう。監督という地位の選任を、指導力の高い人物を選ぶのでなく、ブランド力のある人物のうち手の空いている人を、という感覚で選ぼうとしていたことは否定できないのだろう。たったひと言で覆る程度の選任プロセスしか事前に用意できなかったというのは、第1回大会ならともかく、初代王者として第2回に臨む姿勢としてあまりにも頼りない。

もちろん、他ならぬイチローの意見だからこそ重かったことは確かだろう。結局、プロ野球関係者は、誰が監督をやろうと、イチローのリーダーシップに勝るものはなく、それが生かされるための最適な手段をとることが日本代表の最強の構えだ、という感覚が強いものとみられる。このコミュニケーションの応酬が、選手も監督も決まっていない時点で起きることが、イチローへの評価の高さを示している。選手としてイチローひとりが優れているだけでは勝てないことは、近年のマリナーズを見れば明らかだから、彼には当然のごとく代表選手に選ばれ、リーダーとしてチームをひとつにまとめることで他の多くの選手の力を引き出すことが期待されている。それほど第1回大会で発揮されたリーダーシップが強力だったと評価されているのだ。

もっとも、その結果選ばれた原監督は、監督としての評価が分かれる人物である。読売巨人軍を率いて通算5年目の今季を含めてリーグ優勝3回、来る日本シリーズで2度目の日本一を狙うという実績の持ち主だが、巨人の巨大戦力をもってすれば勝って当たり前ともいわれる。ともあれ来年の本番に向けて、原監督とNPBには周到な準備が求められる。北京五輪で4位に終わって評価を大きく落とし、ファンの支持も失ってしまった星野氏の存在感ゆえに、第2回WBC日本代表監督はあまりに強いプレッシャーにさらされる注目の的となったが、真摯に準備に取り組むことにより、野球日本代表とはどうあるべきか、ということも徐々に見えてくるだろう。

さて今回は脱線したが、次回は、ドラフト制で戦力均衡が図られているはずなのに原巨人のような巨大戦力が実現してよいのか、という点をきっかけに例の話題に復帰したいと思う。

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