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uruyaの日記: 南総里見八犬伝(四) / 曲亭馬琴・著 浜田啓介・校訂

日記 by uruya

南総里見八犬伝(四) / 曲亭馬琴・著 浜田啓介・校訂
★★★★☆

注:以下あらすじはそこまでのネタバレを含む

第六輯・承前(第五十九回 - 第六十一回)
犬士離散後、犬塚現八はその消息を求めて諸国を放浪。あるとき、化け猫が棲むという庚申山のふもとの茶店で、妙な噂を聞き込む。
曰く、赤岩一角という郷士が、庚申山の「胎内くぐり」という人が憚る霊所を拝み奉じようと山へわけいり、数日間行方不明となった後、無事に帰った。その後、一角は後妻との間に子を成し、前妻の子を疎んじて親戚の犬村家へ養子に出す。その子が犬村角太郎礼儀、腹違いの弟は赤岩牙二郎と言った。後妻はまもなく病みついて身罷り、さらに娶った三番目の妻が、あの船虫である。船虫は言葉巧みに角太郎の犬村家を簒奪してしまい、角太郎は村はずれにて蟄居、嫁の雛衣は身篭っていたが、密通による不義の子である疑いをかけられて仲人預かりとされている。

茶屋の店主が止めるのも聞かず庚申山に入ると、途中、猫の妖怪を目撃する。弓で撃ち掛け、妖の左目を射抜いて撃退し、その場を去るのだが、迷い込んでしまった岩室で幽霊に遭遇。それは一角の幽霊で、化け猫が一角に成りすました顛末を語り、形見の短刀と己のどくろを託し、角太郎に伝え聞かせるよう依頼する。どくろに生血をかけると、親族の者であればその血潮はひとしずくもこぼれず、吸い込まれる。それを証拠とせよというのだ。
依頼を果たすべく角太郎の庵を訪ね、犬士のこと、珠のことを語り、大いに打ち解け合ううちに、密通による懐妊とされていた雛衣の腹は、角太郎が持つ「礼」の珠を飲み込んだことで膨らんだだけであり、実は孕んでいないのではないかという話を聞く。

第七輯(第六十二回 - 第七十三回)
そこに船虫が、雛衣を伴って現れる。船虫言うに、一角が目を射抜かれて帰った。善行を積めば功徳あるべく、傷も早く癒えるであろう。先ほどは、絶望のため入水しかけた雛衣を救った。さらには、角太郎と雛衣を共に許して勘当を解き、これをまた善行としよう、という申し出。希代の妖婦の突然の言い様を不審に思った現八は、一角方へ偵察に出る。

そのころ一角の家には客がいる。現八も角太郎も未だ知らぬ犬士、犬阪毛野胤智の仇敵、籠山縁連(こみやま・よりつら)である。縁連は千葉家退転後一角の道場に弟子入りし、その口利きによって長尾景春のもとへ仕官している。このたび長尾家が入手した白井城にて謎の短刀が発見されたため、その鑑定を頼もうと、目利きである一角の元を訪ねてきたのだ。しかし、柄も鞘もマタタビでできているというその短刀を、一角の前で取り出そうとすると、一条の白煙が立ち上り、短刀はあとかたもなく消えていた。いつの間に盗まれたのか…?

現八が赤岩家に現れ、酒宴となる。座興として行った腕試しの試合でこてんぱんに叩きのめされてしまった縁連らは、これを恨みに思い、さらに短刀紛失の罪科をなすりつけようと、その命を狙う。からくも企みに感付き、大立ち回りの末に角太郎の庵に逃げ込むが、縁連と牙二郎は角太郎に対し、現八を渡せと強談判に及ぶ。
そこに現れた、一角と船虫。縁連を下がらせ、やさしげに語りかける。今こそ二人の勘当を解き、旧のまま親子たらん。子は親を敬い助けるものだ。さて一角の目は射抜かれて潰れている。これを治す方法があり、マタタビの粉と、胎児と母の一対の心臓の肉、これらを混ぜ合わせたものを薬とすれば元のとおり目は快癒する。幸いマタタビの粉は別途手に入れることができた。後は、雛衣と孕んだ子の肝さえあればよい。それを差し出すのは考の道である。

角太郎は拒否するものの、かつて入水しようとした雛衣はすでに一度死を覚悟した身。さしだされた短刀を奪うと、腹を裂いて自害してしまう。すると、その傷口から「礼」の珠が物凄い勢いで飛び出して一角の胸を打ち、打ち倒してしまった。それに驚いた牙二郎と船虫は角太郎に襲いかかるが、隠れていた現八が加勢して二人を倒す。悪人といえど我が親兄弟、と力づくで止めに入る角太郎に、一角の幽霊が託した品を示すと、角太郎もようやく納得。真の親の仇であるニセ一角と牙二郎にとどめを刺すのであった。
以後角太郎は犬村大角礼儀と名乗りを変え、犬士の一人として里見家に帰参すべく、現八と共に犬士を探す旅に出る。

残る船虫は、詫びを入れてきた縁連に短刀窃盗犯として託され、長尾家へ引き立てられていった。が、道中にて縁連を誘惑し、逃げ去ってしまう。犯人を逃し進退窮した縁連は、千葉家の時と同様に逐電し、扇谷定正を頼って落ちていった。

───

犬塚信乃もまた犬士の消息を求めて放浪していた。信濃路に通りかかったところ、突然の銃声がする。ばったり倒れてはしまったが、辛くも無事。鹿と間違えて撃ちかけてきたのは、泡雪奈四郎秋実の主従である。どうせ撃ち殺したものなら刀や路銀も盗み取ろう、と邪な考えで近寄ってきた奈四郎らを成敗しようとする信乃だが、そこに現れてとりなしたのは、土地の村長、四六城木工作(よろぎ・むくさく)である。請われるまま木工作の家に止宿するうち、その家の事情を段々に知る。
木工作には先妻との娘がおり、浜路という。後妻には夏引という女がいて、この夏引が外見は美しいが食わせ物である。主の留守に奈四郎を引きずりこんで不義密通。それに感づいているらしい浜路を疎み、しきりに奉公に出すよう運動している。

あるとき浜路に大塚の浜路の霊が憑き、信乃の元へ通ってきた。この場面を見た夏引は、密通であると騒ぎ立てる。騒動を聞きつけてきた木工作に大塚村の浜路の話をすると、木工作も娘の来歴を語る。実は木工作は、結城落城のとき城内にあった士の、子であった。母方を頼り落ちて村長となっていたが、先妻の間に子なく、あるとき娘を拾い育てた。それが浜路である。

さらに話すうち、信乃が主筋にあたると知った木工作は、ゆくゆくは浜路を娶わせると共に、甲斐武田家へ仕官させるべく運動しようとし、まずは奈四郎との間の仲立ちをしようと、酒宴を催す。その数日後、奈四郎から逆に呼び出された木工作は、浜路を武田信綱の妾として差し出すように要求される。これをきっぱり断ったところ奈四郎は逆上。木工作に銃で撃ちかけ、撃ち殺してしまった。

昼間必ず留守であるという禅寺指月院の客を装って夏引を呼び出した奈四郎、信乃が木工作を殺したように見せかける手立てを講じる。事は計画通りに進み、信乃は夏引らによって閉じ込められ、通報を受けた眼代の甘利兵衛堯元に、浜路と共に引き立てられていってしまう。ところがこの甘利堯元、真っ赤な偽者。実は犬山道節であった。指月院に案内された信乃らは、そこで丶大法師と蜑崎照文に再会する。いつも留守にしている指月院院主とは、丶大法師のことだったのだ。一同はこれまでの来歴などを語り合う。実は浜路は、安房里見二代目義成の末子であることが判明。

さて本物の甘利堯元は、木工作殺害現場を見るや、夏引のたくらみを見破ってしまう。一連の仲間を捕縛し仕置きするが、奈四郎のみは逃してしまった。しかし奈四郎も、従者の裏切りによって程なく破滅することになる。
さらに堯元は武田家当主信昌に一部始終を報告する。報告を聞いた信昌は、信乃道節をぜひ武田家に仕官させたいと礼を尽くして請うが、二犬士はそれを固辞。浜路を安房へ送り届けるべく甲斐を退転し、安房へ入る前に、またしても他の犬士を探すべく丶大らと別れ、再び放浪の旅へ戻る。

───

毛野を探して放浪している犬田小文吾は、越後にて亀石屋次団太が経営する宿屋に泊まり、主人と意気投合。土地の闘牛を見ないかと誘われて見物に行くが、突如横綱牛が興奮して暴れ牛と化す。小文吾はその馬鹿力で牛を取り押さえる。

─────

最後の犬士、礼の珠を持つ犬村大角礼儀が登場。
現八・大角の化け猫退治と、信乃が甲斐で浜路を助けるの二物語。

見せ場
・現八庚申山で化け猫を撃ち、一角の幽霊に会う
・角太郎庵にて雛衣自決、化け猫を撃つ
・死せる浜路の霊、生ける浜路の体を借り信乃に物語る
・道節堯元に扮し信乃と浜路を救出す

以後しばらくは、メンバーが入れ替わりつつの放浪冒険譚が続くような雰囲気。
まだ三分の一だよ。なげえよ 笑

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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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