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uruyaの日記: たまご猫 / 皆川博子

日記 by uruya

たまご猫 / 皆川博子
★★★☆☆

たまご猫
文房具メーカーでデザイナーをしていた姉が、手首を切って自殺した。遺されたノートには「クライン・キャット」というメモ書きがあった。

をぐり
妹の夫だった篤志は、以前に自殺して死んだ。弓削はその姉、葉子を訪ねる。葉子は、両親が亡くなって空き家になった豪邸に、独り住んでいる。

厨子王
わたしの部屋を訪ねてきた刑事は、死んだ弟について聞き込みをする。

春の滅び
失踪した叔母の足跡をたどり、わたしは東北へ向かう。叔母は同窓会へ出席すると偽っての小旅行を七年間続け、八年目に失踪した。叔母はわたしにだけ、七人殺したのだ、と打ち明けていた。

朱の檻
次回作の構想の中でとりあげようとしている「座敷牢」があるという兼業旅館に取材旅行へ行ったわたしは、座敷牢の中へ宿泊させてもらうように頼み込む。家つき女である当主の妻は、座敷牢についてのいわくを、問わず語りに語りだす。

おもいで・ララバイ
成り行きで好きでもない男と結婚し、新婚旅行の宿泊地として着いたペンションで、わたしは強い既視感にとらわれる。子供のころ、確かに見た景色…

アズ・タイム・ゴーズ・バイ
かつてGI相手のバンドを組んでいたジャズマンたち。今はバンドはやめているが、年に一度ほど同窓会のような演奏会を開いている。今回は高級ホテルを借り切った演奏会。客が引き上げた後、メンバーたちは昔話を始める。

雪物語
普段は常連ばかりの雑居ビルのバーに、ふりの客が入ってマスターにからんでいる。そこへ常連の女が入ってきた。彼女にもからみだす中年男を無視して、女はマスターと会話する。

水の館
少年アイドルグループ「BURAI」のメンバーの一人、秋男が失踪した。姉さんに逢ってくると言い残して去った秋男を追って、マネージャーの私は、秋男の故郷にある水族館へ向かう。

骨董屋
婚約者の連れ子と初対面するために、妊娠四ヶ月の体で待ち合わせに向かう途中。時間つぶしのためにふらりと入ったアンティークショップで、麻子は店主に呼び止められる。誰かと人間違いしているようなのだが…

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幻想的に情念と狂気を描いた物語集。
家族間の愛憎、特に姉と弟という図式を多用しているのが特徴的ですね。ショタコン腐女子め 笑

非常に流麗な筆致で美しくも恐ろしい世界が広がっているのですが、いざ感想となると「うまいなあ」という言葉しか出てこないです。一編一編は非常に短い話だということと、ストーリーやアイデアももちろん良いのだがそれ以上に「妖しい雰囲気を読む」という性質の本であることが主因ですね。
しかし幻想怪奇短編小説としては完成度の高いものが揃っており、ドロドロの情念を描くことにかけては職人芸といってよく、恐ろしいけども楽しいひとときをすごせました。

難をいうと、同じネタの多用が度を過ぎているようなきらいもなきにしもあらず。しかしショタコン妄想系作家だからなあ(決め付け 多少はしょうがないのか 笑

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typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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