uruyaの日記: 荒山徹短編三作
荒山徹短編三作
小説NON 2007年4月号 怪異高麗大亀獣
高麗国に替わり易姓革命を果たした李氏朝鮮の王、李成桂が即位した日のこと。新王の命を狙い突如乱入してきた謎の美女軍団がいた。しかし襲撃は失敗に終わり、女たち次々自害して果てる。李成桂の五男であり、類いまれな謀臣でもある李芳遠は、その中でただ一人死にそびれた女の口を割らせて反乱の黒幕を探るべく、旧高麗王朝の妖術師、安巴堅(あんはけん)を抜擢する。安巴堅の淫猥な術により女は背後関係を語るが、そこには驚くべきからくりが隠されていた。
小説NON 2007年5月号 対馬はおれのもの
李氏朝鮮三代国王李芳遠に四子あり。世子譲寧大君禎(てい)、次子孝寧大君補(ほ)、三子忠寧大君祹(とう)、末子誠寧大君種(ちょう)。芳遠は自由奔放な奇行人である禎を廃嫡し、仏教に入れ込んでいる補も避けて、祹を世子に据え、王位を委譲する。しかし上王となった芳遠は国政を握って離さず、院政を続けた。
譲位の次の年、突如倭寇が出現する。侵略を続ける倭寇に対し朝鮮軍は苦戦を続けるが、上王はなぜか楽しそうに生き生きとしていた。上王は軍議において、確たる証左もないままに、此度の倭寇は対馬の士民であると決めつけ、対馬討伐を宣言し、征討軍の組織を開始する。その動きに日本侵略の欲望を感じ取った祹は、それを止めようとするため、不思議な術を使う従者金懐良に相談。金懐良は対馬征討を失敗させることを約束する。
オール讀物 2007年5月号 朝鮮通信使いま肇まる
李氏朝鮮四代国王李祹は、上王李芳遠の死により国政を握ると、日本に対し国交使を送ろうとする。前王朝の高麗は元の支配下にあり、朝鮮臣民はモンゴルの影響を多大に受けて独自文化を失っていた。国の基盤が整った今、次に李朝が欲したのは文化の復興である。その文化の輸入元として建国後まもない宗主国の明よりも、南に浮かぶ古い国日本へ目を向けた李祹は、ある密命を授けて使者を使わし、その使者の呼称を通信使とした。
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『怪異高麗大亀獣』の呉牟爐(ごむろ)で盛大に噴く。真顔で話してると思って油断していると唐突にくだらない最低なネタをかましてきて読者を呆然とさせる徹は健在でした。ねえよwww馬鹿www
うっかり『処刑御史』を未読のまま読んじゃったのだが、『怪異高麗大亀獣』は『処刑御史』とつながりがあります。なにぶん未読なので想像だけども、たぶん「"○○(追記:ネタバレになってるような気がしたので微妙に伏字)ができるまで"をシルミドのパロディで騙る」という話になってるんだと思う。当然ながら『処刑御史』を先に読んだ方がいいんでしょうね。
『怪異高麗大亀獣』以外には特にバカネタはないと思うのだが、つーかゴムロとガメラ+ジンメンでお腹いっぱいなわけだが、まあ俺の知識不足でパロディに気づいてないだけかもしれないですな。しかし比較的マトモな話だと思って油断してると最後に大ネタかましてくることもあるので困る。サランみたいに…くわばらくわばら。
いずれにしろ、李氏朝鮮を年代順にたどるような構成になってるので、これらは最終的に一冊の本にまとまることでしょう。ボリューム的には少なくともあと二編は必要なはずで、どこかに掲載されかもしれない。アンテナ伸ばしとかないと。
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