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uruyaの日記: 天地人(上)(下) / 火坂雅志

日記 by uruya

天地人(上)(下) / 火坂雅志
★★★☆☆

樋口与六兼継、のちの直江山城守兼継は若い才を愛する謙信の薫陶を受けて軍事政治を学び、上杉景勝の小姓として取り立てられ、景勝の腹心として絶大な信頼を得ていた。

生涯不犯を通した上杉謙信には二人の有力な養子がいる。謙信の姉仙桃院の子、喜平次景勝と、景勝の姉婿三郎景虎である。景虎は小田原北条氏の七男で、人質同然に越後へ送られてきた者だが謙信に気に入られて養子となり、鈍重に見える景勝に対し面貌さわやかで才気走っており、家臣らに人気がある。謙信が四十九歳の若さでこの世を去ると、この景勝と景虎の間で上杉家を二分する家督争いが発生。二年におよぶ闘争は、はじめ景虎の優位のうちに進行するが、兼継の起死回生の奇策により立場は逆転。上杉家は景勝によって統一され、兼継は二十一歳の若さで家老に列することとなる。

しかし、この上杉家の統一は、景勝兼継主従が信長秀吉家康三代を主役とした天下騒乱に乗り出していくこととなる、始まりにすぎなかった。

─────

平成二十一年大河原作。今年の篤姫は華麗にスルー。

歴史上の人物の生涯を俯瞰的につづる、いわゆる歴史小説のフォーマットに則した作品。小説としてのテーマは、謙信以来上杉家が奉じた「義」の精神と、直江兼継が兜に掲げた「愛」の文字に対する考察。新たな試みとしては、真田幸村との交流や禰津の巫女のかかわりを捏造、利休の娘キャラのでっちあげなど。殺伐とした戦争の連続の中で、女性陣とのエピソードが息抜きの役割を果たす。

リーダビリティが非常によく、ぐんぐん読み進められるのだが、情勢の変化や上杉家の動きを追うのに精一杯で、肝心な直江兼継の人物描写が少ないように思う。どうせ来歴のよくわからない人物なんだから、もっと大胆に捏造しちまえばよかったのに。
それでも家督争いあたりまでは面白く読んでいたのだが、織田軍との戦闘が始まった以降は、どうにも面白みに欠ける。言っちゃなんだが、本能寺から大阪の陣にかけての情勢は今さら読まなくてもよく知ってるのだ。もっと上杉家の内部事情や兼継自身を描写してほしかった。

しかし大河の原作としては、これ以上ないくらい適していると思う。元亀天正の頃から豊臣滅亡までという長い期間に渡り、綺羅星のごとき人物たちが膨大に関係、さらに女性陣の活躍があり(たぶんここ重要)というね。最初から大河を狙って書かれたかのようだ。

まあたぶん、ドラマはおもしろくなるんじゃないだろうか。

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typodupeerror

ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

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