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uruyaの日記: 梅安蟻地獄 / 池波正太郎

日記 by uruya

梅安蟻地獄 / 池波正太郎
★★★★☆

春雪仕掛針
一仕事終えた梅安に、元締めの札掛けの吉兵衛が連続して仕事を頼んできた。精魂をつぎ込む仕掛けの後は十分な間を空けるのが通例なのだが、梅安でなければ難しい、よほど対応に困る仕掛けであるようだ。信頼している元締めであり気にはなるが、やはり受けられないと判断した梅安はそれを断り、なじみの料理屋「井筒屋」に居続けする。
梅安が井筒屋でくつろいでいると、主人の知り人らしきけが人が運ばれてきて、治療の指揮を頼まれる。けが人は武家の女らしい五十五六の老女で、肩口をばっさりと斬られていた。松永たかというその老女が単身で剣客に斬りかかり返り討ちにあった事情を知った梅安は、ある決意をする。

梅安蟻地獄
井筒屋を出たあと、何者かから夜陰にまぎれての襲撃を受けた梅安。しかしそれは、梅安に似た風体の山崎宗伯という医者と人違いしたものらしい。宗伯はその日井筒屋で、蝋燭問屋伊豆屋長兵衛と密会していたようだ。
札掛けの吉兵衛の依頼で偶然にもその伊豆屋の仕掛けを受けた梅安は、新興問屋のわりには妙に評判のよい伊豆屋を調べるうちに、先夜人違いの襲撃をしてきた男と再会する。小杉十五郎というその男は相当腕の立つ剣客だが、仕掛け人ではないようだった。十五郎はわずか三両という金で宗伯の殺しを請け負ったのだという。

梅安初時雨
奥山念流牛堀道場の主、九万之助は小杉十五郎の師匠筋で、新参ながら腕がよく人柄もよい十五郎を気に入っており、急死にあたっての遺言で十五郎を後継者として指名した。大身旗本がパトロンとなり次三男が通っている名門道場のこと、あわよくば息子に道場を継がせて…という思惑の中で、素浪人が指名されるという事態である。反対派の闇討ちに会った十五郎は逆に賊を斬りすてるが、犯人は旗本の師弟たちで、斬った十五郎は難しい立場に追い込まれる。
相談を受けた梅安は江戸を払ったほうがよいと助言し、ちょうど白子屋菊右衛門から招かれていたこともあり、上方へ向けてともに旅立つことにする。

闇の大川橋
鍼治療のために泊り込んでいた外科医堀本桃庵のもとを辞した梅安は、大川橋の上で御用聞きの豊次郎が斬られて倒れているのを発見する。あわてて来た道を戻り桃庵の診療所に運びこむが、瀕死の豊次郎は「あべ…」と言い残して力尽きた。
豊次郎の女房へ事件を知らせるなどして自宅へ帰った梅安は、留守中に音羽の半右衛門が何度も訪ねてきていたことを知らされる。以前から、仕事を依頼されたら受けてやってくれと、札掛けの吉兵衛に紹介されていた元締である。日を変えて半右衛門に対面した梅安は、将軍御側役の大身旗本安部長門守とその長男安部主税之助の仕掛けを依頼される。

─────

小杉十五郎の上方行きは、のちの白子屋菊右衛門との対立の伏線となる話。小杉十五郎と音羽の半右衛門が登場してここでファミリーが揃い、『殺しの四人』と『梅安蟻地獄』の二作を経過して本格的にシリーズが動き出したといえよう。

つーかもうね。おもしろいとか何とか、そんなレベルじゃねえの。ネ申だね。このシリーズを世に出した池波正太郎はネ申。キャラクターの魅力、悪の描き方、筋立てのうまさ、シリーズとしての構成、あぶら乗り切ってる。ひさびさに一気読みした。

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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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