uruyaの日記: 金瓶梅(9) / 小野忍・千田九一・訳
金瓶梅(9) / 小野忍・千田九一・訳
★★★☆☆
韓道国と来保が商品の買いつけから戻った。西門慶の死を知った韓道国は、商品を売り払って一千両を作り、翟執事の妾に入っている娘を頼って逐電。来保は八百両ぶんの荷を横領し、すべてを韓道国のせいにしてしまう。なにくわぬ顔で呉月娘の相談役になる来保だが、だんだんと態度が大きくなり、しきりに月娘をくどく始末。横領で作った金で豪遊し、ほかの雇人にもでかい口をきくため、やむなく月娘は来保を解雇する。
西門慶が病のときに願をかけていたため、月娘は泰山へ参ったが、道士の中に石伯才というよくないものがおり、参拝者の婦女子を誘い込んでは、土地のごろつき殷天錫に姦淫させていた。あやうく手籠めにされるところを逃げ出した月娘だが、殷天錫が太守の縁者だったことから、逆に追われることになる。途中かくまってもらった道士や、たまたま清風塞に立ち寄っていた汲時雨宋江の助けによって、ぶじに帰宅することができた。
陳経済と藩金蓮は、春梅も巻きこんで逢い引きをつづけている。それにかんづいた秋菊が再三さわぎたて、ついにその関係が月娘に知れることになる。関係者はすべて処分され、春梅は売られて周守備に買われ、陳経済は袋だたきのうえ家をたたきだされ、金蓮も売りに出されてひとまず王婆にひきとられる。
何件か金蓮にひきあいが来るものの、王婆ががめついため、金額の折り合いがつかない。そのうちに、大赦で帰宅していた武松が金蓮のことを聞きつけた。武松は、金蓮を買いとって妻に迎えるとだまして呼びだし、金蓮と王婆を殺して兄のかたきをとり、梁山へ逃亡する。
陳経済は金蓮を買う金を用意するために東京へ行っていたが、ちょうど父親が病死しており、なきがらと母親を後でひきとることにして、金目のものだけ持って先に帰る。しかしひと足おそく、金蓮は武松に殺されたあとだった。
周守備の第二夫人におさまっていた春梅は、金蓮の死を悲しみ、引き取り手のない死体を埋葬してやる。後日、墓参りに行ったところ、偶然月娘と孟玉楼に再会。折り目正しく礼節をわきまえて挨拶した春梅は、その場でふたりと和解する。
以前たたき出された来旺が戻ってきて、西門家に出入りしていた。この来旺と密通した孫雪娥が、金目のものを持ち逃げして駆け落ちするのだが、すぐに捕まってしまう。裁判の結果、来旺は窃盗で懲役刑、雪娥は指責めの刑のみで帰されるが、月娘は引き取りを拒否。雪娥の身柄は公売され、春梅に買いとられて台所の下働きとして使われることになった。
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金・瓶・梅の「金」、藩金蓮が殺された。最後にのこった「梅」、タイトルを冠する名前をもちながら、いち使用人にしかすぎず目立たなかった春梅が、がぜん活躍をはじめる。周守備の妾として寵愛され、子どもを宿して幸せいっぱい。月娘らには長者の妻らしい落ち着きをみせて、おだやかに接する。しかしそのいっぽう、仲のわるかった雪娥に対しては…いやあ、女ってこわいですねえ。
武松の暴れっぷりも見どころ。ぶち切れたら手のつけられないこの男、やることがめちゃくちゃ。かたきうちというより「惨殺」と形容したほうがよろしい。あげく金品盗み出して梁山泊に逃げ込むって、どれだけの凶悪犯だ笑
さて、のこすところラスト一巻のみ。ぶじ年内に読み終わりそう。
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