uruyaの日記: さむけ / ロス・マクドナルド
さむけ / ロス・マクドナルド
★★★☆☆
アレックス・キンケイドの妻ドリーが、結婚の次の日に失踪した。失踪の前には怪しい老年の大男がドリーを訪ねてきており、それはドリーの父親であった可能性がある。アレックス青年の誠実そうな様子から依頼を引き受けたリュー・アーチャーは、すぐに居所を発見。ドリーは地元の大学へ入学し、補導部長ロイ・ブラッドショーの家でロイの母親の運転手をアルバイトで勤め、門番小屋に暮らしていた。しかし発見直後、ドリーの主任教授であるヘレン・ハガティが殺害され、ドリーは有力な容疑者とされてしまう。ヘレンは死の前に脅迫を受けたと言っておびえ、一緒にいるようにアーチャーに頼んできた女だ。精神的に不安定になったドリーを精神科のゴッドウィン医師にあずけ、アーチャーは姿を消したドリーの父親らしい男を追う。すると徐々に、十数年前にドリーの父親が起こした事件と、もうひとつ戦前におきた事件が、今回の殺人に結びついているかのような人間関係が姿を表す。
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ロスマクの代表作。登場人物が多く、関係が複雑に錯綜している。久しぶりに発症しましたよ、カタカナ名前が覚えられない病。まー本当に人間関係が複雑。ちょっと気を抜くと記憶の中でこんがらかる。そしてほぼすべての登場人物がひと癖もふた癖も持ってるのね。当時のアメリカの世相や、かかえている問題を反映させて人間を描いているものだと思われ、それがベースリズムをとっているので、基調となる空気は暗くて憂鬱。
分類としてはハードボイルドですよね。けどミステリとしても読める。これね、最後わからなかったなあ。ゲッ、と声が出た。きれいに心理トリックにはまってしまった。社会派と本格の融合って、こういうことなんじゃないのかな。すごくおもしろかったです。もちろんハードボイルドとしてもね。
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