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uruyaの日記: 悪人列伝(二) / 海音寺潮五郎

日記 by uruya

悪人列伝(二) / 海音寺潮五郎
★★★☆☆

藤原兼家 / 梶原景時 / 北条政子 / 北条高時 / 高師直 / 足利義満

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藤原兼家
花山天皇を騙して退位させた人物だが、小粒なのは否めない。権謀術数うずまいて人の命が安いこの時代、多少野心が強いくらいではキャラが立たない。

梶原景時
平家追討戦で義経の軍監となったが仲が悪く、頼朝へ悪し様に報告したため、のちの追放につながったとされる。小説などでは悪人として描かれることが多い。海音寺解釈では、優秀な頭脳を持ちながら狂信的に頼朝へ阿る人物。頭がよいだけに始末におえない、官僚にすると出世するタイプと見る。この人はたしかに、ある程度頼朝の意を汲んで動いていたのかもしれない。

北条政子
言わずと知れた尼将軍。気が強く支配欲旺盛で、頼朝は死ぬまで頭があがらなかった。頼朝が死ぬと幕政に口を出すようになるが、その背後には常に父時政、兄義時の姿があった。政子は悪人ではなく、常に婚家のためを思って行動していたのだ、それが裏目に出てついには婚家を滅ぼしたのだ、と説く。女の浅知恵論ですな。

北条高時
鎌倉幕府を滅ぼした人物である。いわゆる暗君。しかし政権が倒れたのは、社会構造の変化によってその役割を終えたことが主要因であり、高時の暗愚は副次的なものに過ぎないとする。時代の閉塞感が極まって「悪党」が跳梁、皇室では南朝と北朝が争い、野心家後醍醐帝は策謀をめぐらせる。
著者は後醍醐が嫌いだと本稿で公言しているのだが、嫌いな人物に対する海音寺の舌鋒の鋭さといったらない。三成のときも相当叩いていた。ニヤニヤ笑いながら読んでしまった。

高師直
足利家執事。主家の勢いにのって権勢をほしいままにした。驕奢のたぐい。後醍醐の死によって南朝の力がおとろえ、傀儡政権である北朝を擁する足利家が力を強くしていったころ。足利家というよりも、武家の力が大きくなった時代背景。権力を一手に握った高氏であるが、驕れるものは久しからず、やがて足利家と仲違いして滅びていった。これも小説などでは悪人である。いや、小悪人程度か。

足利義満
これも驕奢である。ただし、南北朝を統一したり、対明貿易を推し進めるなどの功績もある人物。武士の権力が確立した時代、創業の時代を知らぬ三代目が多少の驕りをみせるのは、ままあることだろう。

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