uruyaの日記: ばらばら死体の夜 / 桜庭一樹 3
日記 by
uruya
神田の古書店、泪亭の二階に下宿する謎の美女、白井砂漠。
売れない翻訳家で、大学講師と兼業で糊口をしのいでいる吉野解。
大企業の重役の娘の逆玉に乗り、いまだにそりの合わない義父から援助を受けている解は、かつて下宿していた泪亭で砂漠と出会い、激しく彼女を求めた。砂漠はそんな解を受け入れ、ある要求を突きつけた。
「お金貸してちょうだい」
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消費者金融による借金地獄と、総量規制が導入されたことによる影響。追い詰められた男女が出会い、やがて事件に発展する。それなんて火車?
扱う素材は俗っぽいが、作品世界は桜庭色だ。どうしようもなくやるせない閉塞感と、そこから抜け出そうとあがく一対の男女。プロローグで提示されたバッドエンドへ向かっていくまでの、複数視点からの描写。技術的には相当高いものがある。桜庭作品というのは世界観を読むものであって、ミステリ的な読み方をするものではない。いや、ミステリ的にどうよ、という感想を見たものだから。バラバラ殺人を扱ったからといってミステリであるとは限りません。ブンガクでございます。
プロローグで視点の転換を試みているのは、何か意図があったのだろうか。倒叙を仕掛けようとして伏線張ったけど、やっぱりやめたとか?
そこだけが気になった。
あ、これはおもしろそうだ。メモメモ。 (スコア:1)
『火車』の当事者側サイドで桜庭一樹の筆致で。いつかシメルのリストに入れときます。
『火車』では、化粧してスーツ着て出掛ける何一つ不自由のない暮らしをしている女性の挿話でしかない部分の物語をもっと読みたいなと思ったような曲者読者なのでそういうバイアス込みですけど。
Re:あ、これはおもしろそうだ。メモメモ。 (スコア:1)
ああ、たぶんぴったりだと思いますよ。
そういう意味ではホント、ある種ファンタジー的な要素が多い桜庭作品では例外的に俗っぽいです。
Re:あ、これはおもしろそうだ。メモメモ。 (スコア:1)
外向きにはファンタジー要素のない『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』で桜庭一樹絶対支持!に転向した読者ですので合っているんでしょうね。その数年前までに二作くらい読んでいたけどピンとこなかったとか、独自路線まっしぐらの富士見ファンタジー文庫だから手に取ったとかファミ通文庫版の『荒野の恋』の甘酸っぱさ辛抱たまらん!とかいろいろあるわけですが。