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von_yosukeyanの日記: もんじゅ控訴審判決逆転敗訴(2) 1

日記 by von_yosukeyan

まだ判決文を読むことは出来ないので、かなり的外れなことになってしまうかもしれないが、この判決に対する意義について何回か分けて書きたい。最初はもんじゅについて、次回は行政訴訟について書いてみたい

■高速増殖炉とは何か?
すでに、原子力潜水艦について書いた過去の日記で軽水炉と液体金属炉の違いについて書いたが、少しおさらいしてみたい

原子炉とは、核分裂反応を連続的に行うことを目的とした装置である。「エネルギーを取り出すこと」は付随的な目的で、原子力発電に代表される商業発電炉のほかに、原子力を動力とする交通機関への応用といった目的のほかに、プルトニウムや放射線アイソトープの製造など、原子炉の応用範囲は極めて多い。また、原子炉が核爆弾と異なるのは、原子炉が核分裂反応を制御して一定の出力を保つことにあるのに対して、核爆弾は核分裂反応を暴走させて兵器としての爆発力を得ることにあるので、その技術は全く異なるといえる

原子炉の中で最も一般的なものは、原子力発電などに利用される軽水炉である。原子炉は、核分裂反応によって膨大なエネルギーを発生させることができるから、その熱を何らかの方法で取り出し、また核燃料集合体によって構成される炉心を冷却しなければならない。この炉心を冷却する物質を冷却材というが、軽水炉では原子炉の冷却に水を使用している

軽水炉における冷却材は、単に炉心を冷却するというだけでなく核分裂反応を制御する減速材の役割を果たす。核分裂反応は、ウラニウムやプルトニウムといった核分裂物質に、一定の速度(温度)の中性子を衝突させることによって核分裂反応が発生する。軽水は、核分裂反応としては効率的に中性子を減速することができ、高出力なエネルギーの発生が可能である。これに対して、重水やナトリウムといった金属を減速材とする場合には、中性子の減速率が高く出力はあまり高くない

しかし、核燃料中90%以上存在するウラン238は、速度の速い(温度の低い)中性子を吸収すると、核分裂性物質であるプルトニウム239が生成される。これを転換と呼び、もちろんナトリウム炉や重水炉と比べて転換効率(転換率)が悪いものの、軽水炉でもプルトニウム239を生成することができる

ちなみに、減速材=冷却材という図式は常に成立するとは限らない。軽水炉、金属炉の他に異なった減速材と冷却材を使用する場合がある。例えば、いわゆるソビエト型原子炉と呼ばれる黒鉛減速軽水炉(黒鉛チャンネル炉)は、黒鉛を減速材に使い軽水を冷却材に用いる。また、日本でも1基だけかつて稼動していたコールダーホール型原子炉は、黒鉛を減速材として用い、炭酸ガスを冷却材として用いる。また、重水減速軽水冷却型の新型転換炉(日本独自の炉)などもある

■もんじゅ
発電と共に、ウランからプルトニウムへの転換比を高めた原子炉の一つに、高速増殖炉がある(他に新型転換炉がある)。日本の高速増殖炉研究は、欧米で研究されていたナトリウム冷却型の原子炉で、もんじゅは3ループ型と呼ばれる

前にも述べたように、ナトリウムは極めて活性の激しい物質である。常温では固体だが、97度前後で液体となり沸点は800度くらいである。出力の高い高温原子炉を設計する上では最適な減速・冷却材だが、問題点としては水に触れるだけで激しく反応することである。

よって、沸騰水型原子炉のように原子炉内で冷却材を沸騰させたり、その蒸気でタービンを回して発電したりすることは極めて困難である。よって、複数の循環系の間を熱交換器を解して水に熱を交換する必要がある

もんじゅの場合、原子炉を循環するナトリウムが満たされた一次系と、同じくナトリウムが循環する二次系、そして水が循環する三次系が存在し、一次系と二次系の間にはナトリウム間で熱交換を行う中間熱交換器が、二次系と三次系の間にはナトリウムと水の間で熱交換を行う蒸気発生器が存在する。

熱交換器は、その性質上効率よく熱を交換するために、極めて剛性に富んだ金属の細管で、異なる二つの系統を隔てる。高速増殖炉の運用上問題となるのは、この熱交換器や配管の破損による冷却材流出事故で、熱を取り出すことが出来なくなった原子炉の暴走(いわゆるメルトダウン)が懸念される

#ちなみに、アカや北系左翼政党が主張するように原子炉が暴走した場合でも原子炉が核爆弾のように爆発することはない

また、蒸気発生器細管が破断した場合、蒸気発生器自体がナトリウムの燃焼によって破壊される危険性もある。これも結果的には、原子炉の暴走に到る危険性を伴う

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by ozuma (5119) on 2003年01月29日 17時40分 (#246202) ホームページ 日記
    プルトニウムや放射線アイソトープの製造など

    放射性を持ったアイソトープなので「放射性アイソトープ」です

    放射線を発する、という意味では正しいと言えば正しいのですが、「放射線アイソトープ」という言い方はやはり普通しないかもかも

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