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von_yosukeyanの日記: 狼少年とアカ頭巾

日記 by von_yosukeyan

危機だ危機だと、毎年期末に騒いで見るものの実際には大手銀行も大手金融機関も潰れないという奇妙な状況が始まってからかれこれ8年近く経つ。実際には、いろいろと汚い手を使って危機を危機ではないように見せかけているだけなのだが、こうも不安な時代が続くこと自体が危機であるように思える

90年代の初め頃に、大手行と呼ばれる都銀、信託銀、長銀はさくら銀行を筆頭に、住友銀行、三菱銀行、第一勧業銀行、三和銀行、富士銀行、東海銀行、あさひ銀行、大和銀行、北海道拓殖銀行、日本興業銀行、東京銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、住友信託銀行、三菱信託銀行、三井信託銀行、中央信託銀行、東洋信託銀行、日本信託銀行と合計21行も存在しており、東京銀行と三菱銀行の合併を皮切りに、三菱東京FG、三井住友FG、みずほHD、UFJ、三井トラストHD、りそなHD、住友信託銀行の7大銀行となった。この他に、拓銀とは経営破綻して北洋銀行に吸収合併、同じく経営破綻した長銀と日債銀はそれぞれ新生銀行とあおぞら銀行となった。

即ち、実質的に銀行は合併を繰り返して超巨大金融グループを形成しただけで実質的な規模はほとんど変わっていないことになる。わずかに、拓銀が北洋銀行に経営譲渡されたが、本州部分の営業基盤は三井トラストに譲渡されているので、全体的な規模はそれほど変わっていない

旧日債銀処理問題は、ちょっと微妙な背景があるので触れないとして、長銀の営業を継承した新生銀行や、旧IBJを中核に結成されたみずほコーポレート銀行などは独自のビジネスモデルを掲げているが実態としてはそれほど利益に繋がっていない。まず、前者のビジネスモデルは基本的にはシティーバンクの取っているものとそう違いはなく、基本的には旧長銀のポートフェリオの処理も残っていることから、しばらく利益になりそうではないような気がする。後者の問題は、基本的には投資銀行を志向したビジネスモデルだが、旧IBJと大きな違いはなく、証券部門をみずほ証券に分離したことが逆に足かせになっているようにも思える。

いずれにせよ、他の銀行グループは戦略的な業務の絞込みよりも、利益になりそうなところに手当たり次第進出している状況なので、いわゆる「適正な金利やサービス対価を受ける」にはほど遠い状況にあると思う。各金融グループの明確な戦略の違いを述べるのは非常に困難だし、特筆すべきことといえば、三菱東京FGと住友信託銀行の財務状態が良好である、ということくらいしかいえない

将来的な問題としては、国際業務を放棄したりそなと三井トラストの二社は、バーセル合意に縛られることなく独自の経営を模索できるという点で安心感がある。UFJなど、トヨタの支援を受けてあくまで国際基準行に縛られた経営を行っているが、時間の問題なのかもしれない。

4大グループだけに焦点を当ててみても、三菱東京や(仮に国際業務を放棄したとして)UFJにはまだ未来があるように思えるが、中途半端さと過去のしがらみの多さから、困った存在なのがみずほHDと三井住友FGである。みずほHDは銀行単体としてはどうしようもない状況だが、銀行単体としてはそれほど悪くないように見えても、関連会社の問題で爆弾を抱えすぎているのが三井住友である。

中でも1兆円の増資問題と、旧IBJがらみの糞案件を抱えるみずほ問題は、期末にかけて台風の目になるのではないかと思う。実際にみずほは、昨年末には倒産していたはずのUFJと株価が逆転し、増資達成が不可能になりつつある昨今、国有化を経た再生よりも解体の道を選んだほうが財政負担は少ないのではないかと思ったりするのだが

状況の急変に気づいて、軍用拳銃を構えてみたアカ頭巾だが、所詮はアカ頭巾、撃ってみたものの的の狼を大きく外れ、腕力がないので銃の反動を吸収してしまって薬莢がチェンバーにジャムっている。一方の狼は、長い間の金融行政で痩せこけたアカ頭巾を食べるか、それとも年金生活で丸々と肥ったおばあさんを食べるかまだ迷っているようだ。実に微笑ましい状況だが、こんな楽しい時代に生まれてきたことを感謝する今日この頃。

さてメシにするか・・・。

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