von_yosukeyanの日記: 長期金利と日銀介入
や、日記を再開するのだ
今週の日曜は例のアレなのだが、この時期に再開するのには理由がある。実家に帰ったのを期にスラド漬けから脱却したかったのだが、今度はメリハリが利かなくなって困っていた。
どうせ実家は常時接続環境ではないので(一応その予定だったのだが、それなりに理由がある)、別に日記再開してもいいんではないかという訳で。といっても、これまでに複数ハンドルで書きまくっていたじゃないか、という意見に対しては弁解する余地もない
さて、昨日は債券市場が乱高下した。一時、長期金利(10年国債)の換算利回りが1.55%に達するなど暴落傾向があったが、外資系金融機関や、おそらく生保や地方銀行のディーリング部門が積極的に買いを入れた結果、終り値では1.37%(9月債先物は137円80銭)で引けた。終り値では、前日比7.5ベーシズの金利低下(価格上昇)で引けたのだが、実は暴落から一転して価格上昇に転じたのは日銀が1兆円規模の年度超え手形買いオペを実施したことが関係している。
周知のとおり、9月から財務省は超長期債(20年)の発行を毎月行うことを決定している。金利低下の影響で、長期債に比べ低金利に国債を発行できるためだが、デフレ懸念の後退と長期債の大量発行から供給圧力が強く、債券市場が下落傾向にある、というのが5月来から現在までの状況である。
国債の新規発行残高は現時点では30兆円規模だが、借換え債を含めた発行残高はこの三倍近い。加えて、税収不足(歳入欠陥)の影響で、来年度の発行残高は現状を維持することが不可能で、長期債や超長期債の発行はこれを生める手段として有望である。一方で、経済政策上も長期金利に連動する長期プライムレート(長期最優先貸出金利)の抑制には、金利水準がこれ以上上昇しないことが好ましいとされる。そういった意味で、財政当局と金融当局の思惑は一致しているといえ、日銀が手形買いオペを最近度々実施しているのはそういうわけである。
ところで、先週のことだが新聞の住宅ローンの広告を見て我輩は驚いた。JAで住宅ローンを借りると、10年間1.9%で固定だというのだ。これはびっくりだ
そう、実際のところ長プラがどうあれ、金融機関の金利ダンピングは収まる気配がない。住宅ローンや長プラが、長期金利の上昇に合わせて上昇していても、実際のところ上は大手銀行から下は信組まで、貸出金利はほとんど長プラそのものだったりする。先日、公的資金注入行の平成14年度の中小企業貸出実績が発表されたが、金融機関は(貸し剥がしに忙しいみずほは除いて)すさまじい広告と販促で、ほとんど住宅ローンの感覚で中小企業向け無担保ローンを売りまくっている。まるで、バブル期のリファイナンスのようだ
もちろん、長プラは銀行の貸し出しだけでなく、リース金利にも影響を与えるから一概にはいえないが、企業の資金調達意欲は依然として低い。確かに、今年度に入って設備投資やR&D予算を増額している企業もあるが、財務基盤の改善を行った企業がほとんどで、ほとんどの企業は有利子負債圧縮に力を入れている。
そういった意味で、日銀や財政当局が介入してまで長期金利の上昇圧力に対抗したとしても効果は疑問に思えるのだ。それでなくとも、日銀の流動性供給政策によって、実際には長期金利の金利指数性は有名無実化している。逆に言えば、デフレ圧力が存在していた昨年から今年前半にかけて、金利低下を見越して外債や国債を買いまくっていた大手金融機関は、保有債券の含み損を抱えており、どうしても売却しなければならなくなっている。日銀の介入は、ある意味でこれらの金融機関の救済とも言えるし、どちらにせよ適切ではないと思うのだ