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von_yosukeyanの日記: 証券決済システム改革と取引時間の延長 3

日記 by von_yosukeyan

先ほど、大手ディスカウントブローカー4社(イートレード証券、松井証券、DLJ Direct SFG証券、マネックス証券)が、東京証券取引所(TSE)に対して証券取引の延長を検討するよう要請した。

インターネットや電話などを使った非対面取引が一般化する中で、これらのディスカウントブローカーを利用している顧客のほとんどが、昼間仕事を持っているビジネスパーソンであることを踏まえた要望だ。現在、東京証券取引所、大阪証券取引所、JASDAQの主要3市場は、午前9時から11時まで、午後12時30分から午後3時までが取引時間となっているが、ビジネスパーソンが帰宅する時間帯である5時ごろから9時ごろまでの取引時間が空白である、というのが要請の背景だ。

米国では、Island ECBなど夜間取引市場が発達している。日本でも、一時期ゴールドマン・サックスが中心となった夜間取引市場が存在していたが、取引量が少なく廃止されてしまったという経緯がある

実はTSEや大手証券会社が取引時間の延長に慎重なのは、証券決済システムの問題が未解決であることが関係している。午前3時に取引が終了したとしても、証券会社はその後様々な決済事務、いわゆる締めの業務を行っている。仮に取引時間が単純に延長されてしまうと、締めの業務を行う時間が足りなくなるので、大幅な人員の増強が必要になるのだ

もう一つは、決済システムそのもの問題である。証券決済は、取引(T)から実際の決済が行われるのに三日かかるT+3という制度が戦後直後から続けられてきた。証券決済には、単純に証券の保管業務を行う保管振替機構や、証券決済業務を行うカストディアンなど様々な仲介者が存在する。これらの間では、実のところ決済スキームの標準化が確立されているとは言いがたく、電文やFAX、電話などが入り乱れている。使用されているシステムにしても、バッチ処理が中心で証券不足などで何らかの形でフェイル(取引不成立)が発生する可能性が常に存在するのだ

現在、各証券会社はこのN+3システムを当日に決済可能なN+1システムへの移行を行っている。野村総合研究所の総合証券基幹系システムSTARや日本フィッツのバックシステムなどはN+1化対応が終了しており、フィッツのバックシステムを利用している松井証券などもフロントシステムの移行が完了しているが、構築から30年以上経過している大和総合研究所のSONARなどは、N+1化が行えない状況が続いている。

決済システムは、単純にどこかが移行したからすぐにでもN+1化が行えるという類のシステムではない。というわけで、取引時間の延長には現実的には時間がかかりそうだし、逆に別市場を立ち上げる方が現実的だ。その場合のシステムコストなどを考えると、早期には実現できそうもない話だ

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