von_yosukeyanの日記: 通信系の会社のこととか 2
まぁCWCIが破産したとか、親のIIJIEの経営がアレというのもあるんだけど、広帯域で成長してきた通信業界が再びヤバくなってきたという感じがしている
たとえば、某禿!系のアレは元々からして禿!ファイナンスがチャリンコを前提としたモデルなんでスピンアウトさせるなりM&Aするなりが必要なのは誰だって知っているかもしれないが、この前上場した某社みたいな新規参入組と、大手なんかにしても成長が鈍ってきてキャッシュが回らなくなってきている、というのがある
実際のところ、広帯域でもダイアルアップでもユーザーの解約率はそれほど変わらない。理由としては、ヘビーユーザーは広帯域にすぐに飛びつくが、一般的なユーザーは下り8MBで基本的に十分で、1MBでも実用上問題がないからだ。広帯域の普及率がユーザー全体の30%くらいだったと記憶しているから、まだ普及の余地があるかもしれないが、普及期前の高い料金を甘受するユーザーというのは往々にしてヘビーユーザーであり、同時に新しいサービスが登場するとすぐに乗り換えてしまう。だから、ISPは猛烈な勢いでユーザーの獲得を行う必要がある。この辺のところは、米国のクレジットカードビジネスに似たようなところがある
逆に普及し切ってしまったサービスというのは、基本的に利益率が低い。広帯域であればあるほど、先行者利益を稼げる(まぁ実際は赤字だとしてもだ)訳で、より広帯域なサービスにユーザーを誘導することはきわめて合理的な行動だ。しかしながら、広帯域を活用するコンテンツというのが、今のところP2P以外にはほとんどない。そこでIP電話だとか、テレビ電話みたいな広帯域の特徴みたいなのを宣伝する訳だが、高々インターネット人口の30%程度では相手がいないわけだ(つまり、卵が先かニワトリが先か、という問題になる)
まぁそんな感じでチャリンコがうまく回っていたワケなんだが、それがここんとこヤバ目な感じがしてきたのは、単純に通信業界に対するクレジットリスクが拡大してきているんじゃないかと思うところだ。
日本企業は、間接金融を主体として資金調達する方法が一般的で、資本全体に占める他人資本の比率が高く、株主資本比率は低い。これは、基本的にメーカだとか商社だとか、その他もろもろの事業会社の社内ベンチャー(と書いて事業部と読む)として設立された通信系にしても、VCから資金スッコ抜いて設立されたベンチャー計ISPにしても、株主資本が50%以上という会社は皆無だ
たとえば、この前上場したんだけど商標裁判に負けた上になんで上場できたのか不思議な某xDSLなISPの場合だと、株主資本比率はたったの13%しかない。うさんくさい会社の代名詞で、この前どこで作ったかよくわからん繰延税金資産を切り崩して暴落しているでじこ株の半分以下、といったらイメージが掴めるだろうか? つーかマジで、でじこ株購入するんですか? ネタよりTBなNAS買いましょうよ>支障
で、この他人資本というのは実は銀行屋からの借り入れではない。例えば、表で話題になってるぷららの場合やIIJIEなんかは、メーン行にCBとかSMBCとかうんこ銀行が入ってるが、ここから多額の借り入れをやってるわけじゃなくて、ほとんどが商社の金融機能を使ったり、リースの形態で資本調達をやってるワケだ。みかか系の企業にしても、持ち株会社にぶら下がってるリース会社を窓口にして、機材を調達している。設備産業である通信系だから、という事情もあるがね
破産したCWCIの負債(確か500億くらいだった気がする)のほとんどが、実際にはリース会社の債権だったりするのだが、大抵は商社の子会社のリース会社だったり、銀行系のリース会社だった。後者なんかは、最近やたらと話題になる不良債権の飛ばし先(親密取引先と呼ばれる)でもあったりするので、銀行の不良債権処理や資産厳格査定の影響を最も強く受ける
そういうわけで、どこかの会社でチャリンコが行き詰まった日には、業界で似たような収益モデルの会社に信用収縮が発生する可能性が存在するということだ。ただし、実際には事業部的な位置づけの通信系企業は、親会社から複雑な取引形態で信用補完を受けていたり、資本調達を行っているので一概には言えないことは確かだが。しかしながら、それにしてもぷららの資本金の少なさに見られるように、自己資本の薄さが不確定要因になっていることは確かだ
自転車 (スコア:1)
1MBとは "MBit/s" のことでしょうか。
私も同感です。使い道がない限り、10Mオーダーの帯域は無駄ですね。
やはり飛びつくのはP2P厨ではないかと。
Re:自転車 (スコア:1)
スラド的には、ディストリビューションを落としたり、お家サーバーを建てるとか、週末放送局を立てたりするとか帯域がいくらあっても足りないくらいなんでしょうけど