von_yosukeyanの日記: プライベート・バンキング 5
フォレックスジャパンが営業停止 (禿!ニュース)
まぁこの手の話は、普通の詐欺事件とかではなくて、ちょっと背景が複雑なのでちと書いてみる
戦後の富裕層の資金運用手段で最も一般的なのが、金融債の購入と、金銭信託だった。特に、日本興業銀行、日本長期信用銀行、日本不動産銀行(日本債券信用銀行)の3長銀と、農中、商工中金の二つの特殊銀行が発行する割引金融債は、「高利回り、無記名本券、1年償還」という特徴をもち、極めて人気の高い金融商品だった
#戦前は、拓銀や勧銀(双方とも特銀で、戦後普銀転換)も発行していた
しかし、90年代に入って長銀が相次いで破綻し、またマネーロンダリングの対象となったりしたわけで、金融債の販売に本人確認が制度化されたり、経費削減のために本券販売を取りやめるところが出てきた。そうなると、巨額の資金をどこで運用するのか、という話になっていろいろと難しいことになるのだが、プライベート・バンクやヘッジファンドで運用する、というのがちょっとしたブームになっている
ヘッジファンドの定義に関しては過去に書いたことがあると思うので省略するが、プライベート・バンクとはいわゆる「スイス銀行」のことをかつては指していた。スイス銀行とは、スイス銀行法に基づく銀行のことで、スイス・ユニオン銀行と合併してUBSとなったスイス銀行のことではないし、ましてやゴルゴが報酬を振り込んでもらう銀行のことでもない
そして、いわゆる匿名口座(ナンバー・アカウント)のことでもない。スイス銀行は、19世紀の大陸の動乱を逃れた市民のために、財産を保全するための手段として考案された制度のことで、大抵は1万スイスフランから5万スイスフラン程度の預金から保護する、という制度だった。つまり、個人の財産保護システムであるから資金運用手段ではなく、結構費用もかかるものだったりする。これが第二次世界大戦後に、闇資金の運用などに使われたために、度々法改正が行われ、資金秘匿手段としてはイマイチな制度になっている。まぁ漏れだったらインド洋の某国あたりを拠点にするところだが
これに対して、広義におけるプライベートバンキングというのは、中世に誕生したマーチャント・バンクに起源を求めることができる。これは、信用力のある事業主に、相手を信用してお金を預けるというもので、一種の資本取引であった。この制度は、現在でもあるのだが、はっきりいってかなりのボリュームがなければ成立しないし、「預ける」という行為そのものは、銀行取引のように定型化されたものではなく、個々の契約によって成立するものである。貧乏人はお呼びでないのは当然のことながら、紹介者がいなければ取引を開始することもできないし、常に募集しているわけではない
一般的な意味のプライベート・バンクは、これとヘッジファンドを足して二で割って、もう少しオープンにしたような形態で、やはり結構な額が必要である。大体100万ドルくらいを目安にすればいいと思うのだが、株式やマルチカレンシーな債券投資を中心として資金運用を行う。一種、信託に近いもので、運用額に対して一定の手数料を支払う必要がある点では近い
で、貧乏人向けにはオフシュア・バンクがある。これは、いわゆるタクスヘブンに存在する銀行預金のことで、イギリス領マン島などが有名なのだが、ぐっと最低運用額は低く、銀行によってはたったの1万ドル程度からはじめられる。詐欺系の事件で多いのは、このオフシュア・バンクくらいのボリュームの話で、大体3000万から100万くらいの間でやられるのが多い感じだ
5000万以下の運用額で、オフシュア投資のメリットはほとんどないと断言できるが、この手の詐欺でありがちなのは高利回りを特徴として、ヘッジファンドで運用しているといううたい文句だ。ヘッジファンドというのは、非常に内輪な投資機関で規模にもよるが、よほどの金持ちでない限り個人が参加することはないし、法人の参加者にしてもそれを小口化して売ってるというのはあまりない。であるから、この時点でアヤシイと思って構わないだろう
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