von_yosukeyanの日記: ネットバンクと地銀システム
百五銀行のストーリーで思ったのだが、Uオープン系システムを銀行勘定系に採用するという問題は、単純に勘定系規模の問題だけでは割り切ることの出来ないことに関して理解が少し足りないような気がした
ネット銀行や、シティーバンク、新生銀行といった非対面取引を重視するリテールバンクと、地方銀行のシステムというのは根本的に異なる。例えば、UNIX(Solaris)を勘定系に採用しているジャパンネット銀行(JNB)は口座数だけをみると、中規模地銀の口座数とほぼ同等になる。ならば、中規模地銀がシステムをUNIX系で再構築できるか、という議論が成り立ちうるが、実際にはそうではない
#預金残高では約1100億円だが、顧客数では65万人と地方銀行だと預金量3兆円クラスの銀行に相当する顧客数
ネット銀行は、主にWebや提携ATMなどを利用した比対面チャネルが取引の中心であり、取引顧客は基本的に個人客に限定される。よって、預金種目は普通預金が主で、これに定期預金や各種ローン商品が加わるだけだ。そして、取引はWebで行われることから、基本的に基幹系システムは勘定系や情報系といった区別がなく、RDBMSサーバ、アプリケーションサーバ、Webサーバの三層で構成され、業務に利用する営業系のシステムも基本的にはWebベースかアプリケーションサーバーを介した業務システムを構築すれば足りるのである
これに対して、様々なチャネルを持つ一般の銀行は、法人取引や様々な為替勘定、融資システムなどの規模の大きい情報系を持つ。さらに、営業店や直営のATMが勘定系にぶら下がっている状態で、これに最近ではインターネットバンキングシステムがぶら下がっている状態だ
そして、ネットバンクの処理の大半がリアルタイム処理であるのに対して、一般の銀行ではリアルタイムなオンライン処理だけでなく大量のバッチ処理が加わる。例えば、給与振込や引落バッチが典型的だが、商品別の各種税計算、利子計算など極めて大量のバッチが日/週/月/年ごとに走る
即ち、一般銀行の第三次オンラインシステムをオープン系でリストラクチャリングするとすれば、それは単純に第三次オンラインシステムをUNIXに置き換えることを指すのか、それともハブ・アンド・スポーク型にするのか、さらには統合化されたRDBMSサーバやストレージシステムによって構成された三層構造にするのか、といったアーキテクチャー的な問題もあるし、将来的にはどこまで拡張していくのか、という問題もある。さすがに、現在ポスト三次オンとして提案されているパッケージには、拡張性の問題を無視したシステムはほとんどないが、単純にJNBなどが採用しているオープン勘定系(これ自体はネットバンク向けに富士通が開発)を単純に地方銀行が採用すればいい、という問題でもない(こいつは恐ろしく拡張性に乏しい)
そして、オープン系システムを採用すればコストが削減できる、というのも幻想に過ぎないし、開発期間も短縮するというもの幻想に過ぎない。そもそも、単純にコスト削減を狙ったものなら、共同化システムを志向するだろうし、開発期間を短縮するためならメーカーなどに対して包括的アウトソーシング契約を締結するほうが早い。あえて、オープン系システムを自営で採用すると言うのは、情報システム戦略に一定の方向性があって、かつ将来的な拡張性を維持したい、と考えていなければあえて採用はできない道であると思う
ネットバンクと地銀システム More ログイン