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von_yosukeyanの日記: 形骸化する支店の概念

日記 by von_yosukeyan

http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt32/20050421NN005Y07621042005.html
三井住友銀行、個人向け支店の営業と事務を分離

元々、都市銀行の支店には銀行業務をすべて行うフルブランチと、個人向け金融に特化したリテールブランチの二種類がある。旧興銀では、後者を「資金吸収店」と呼んでいたように、従来こういったリテールブランチは住宅密集地などに立地し、預金の受け入れや住宅ローン相談などに特化し、一般法人営業を行わない支店のことである

リテール業務が、これまでのように預金の受け入れなど「資金吸収」としての位置付けから、銀行窓口を活用した資産運用や、住宅ローン・個人ローンなど消費者金融など様々な金融商品を販売するクロスセリングの場と変化するにしたがって、支店のあり方というのはかなり変質している

例えば、投資信託の販売などでは証券外交資格が必要になっているように、かなり専門化が進んでおり、支店内の組織としても単に「窓口」であるフロントと事務部門であるバックという区分では問題が出るようになってきている。フロントは、すでに預金取引を行うハイカウンターと、資金運用など専門性の高い相談窓口であるローカウンターに分離されており、不足するローカウンター業務を行う人員も、ハイカウンターからの配置転換(内部養成型)だけでは間に合わず、証券会社などからの中途採用組が大半を占めている支店すらある。こういった、ローカウンターとハイカウンターの組織系統の分離は、かなり自然な流れだ

もう一つは、法人営業の分離もかなり進んでいる点だ。すでに、みずほ銀行とりそな銀行を除いた都銀は、支店営業から法人営業部門を分離している。支店の組織から、法人営業部門は分離され「営業部」に集約されていて、営業部自体は支店とは別の組織である「支社」の命令系統に統一されている。バックオフィスも、支店単位ではなく地域母店に設置された支社に集中化され、もはや支店単位では事務は完結しなくなっている

つまり、かつて「一国一城の主」であった支店長は、単なる一部門を束ねるだけの存在になってしまっていて、支店の権限もかなりの部分が地域を束ねる支社の部門に委譲されているし、手形の割引自体もかなり自動化されている。中小企業向けの無担保融資に至っては、財務内容をコンピューターでスコアリング化して融資判断を行っているので、これまでコスト的に問題が多かった中小企業への無担保融資にメガバンクが本格的に取り組みつつある

例えば、BTMは最近法人営業所という営業拠点をこれまで支店のなかった地域にも設置している。BTMは、元々関東地盤の三菱銀行(旧三菱財閥+旧川崎財閥)と、外国為替専門銀行だった東京銀行が合併して誕生した背景から、関東に集中的に支店が立地しており、全国的に見ると支店数に偏りがある。中小企業向けの無担保ローンは、貸し倒れリスクを金利、スコアリング、地域分散によってカバーしているので、関東に集中した支店配置には問題がある。そこで、これまで支店のなかった地域に、中小企業向け無担保融資のための相談窓口に特化した営業拠点を設置しはじめている。この法人営業所では、預金など現金を伴う取引は一切行えない

これ以外にも、住宅ローン相談に特化した支店や、大企業営業を専門に行う営業部など、これまで支店を中核に画一的に整備されてきた銀行の営業拠点は様変わりしつつある。これは、専門化された営業部のよる縦割りの強化であり、銀行員もゼネラリストから、専門性の高いスペシャリストへの変化を迫られている。もちろん、コールセンターやバックオフィスの一部などは、単純化された派遣労働者による低コスト化が進んでいる

こういった、支店営業の変容は終身雇用の典型であった金融業において、限定的ではあるが雇用の流動化がおきつつある。ただし、専門性の極めて高い職種や、逆に極めて低い部門に限られた話で、マネージャークラスの流動化というのは投資銀行部門を除いてほとんどないことには変わりがない

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皆さんもソースを読むときに、行と行の間を読むような気持ちで見てほしい -- あるハッカー

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