von_yosukeyanの日記: 金融パッケージ(2)
早速続きです。
前回は、バックオフィス系の話だったので、今回はフロントオフィス系の話でもします。
前回述べたように、バックオフィスは丸投げという場合がありますが、ネット証券のほとんどはフロントオフィスは自前で持っている場合が多いです。というのは、複雑な注文体系をパッケージで構成してしまうと、自由度が効かなくて横並びなシステムになってしまうので、ここのところは自前で・・・という場合が多いからです。特色が出ないですから。
フロントオフィス系システムは、欧米の証券パッケージ(ソフト)を使う場合が多いです。代表的な例が、SAP R/3に独自のアドオンをぶち込んだり(日本じゃあんまり聞かないけど)、Weblogicを使ってでっち上げるという例もありますが、ギコギコ組むという話もあります。
もちろん、前回の分類ではバックオフィス系の範疇に入りますが、顧客の講座管理システムなどもフロントオフィス系と同じく独自で持っている場合もあります。これは、証券決済を迅速化するためと、顧客サービスを充実させるためで、とくに証券決済の迅速化が要点となります。(従来の証券会社の証券決済は、約定日から起算して概ね4日前後(N+4)で行われていますが、ネットトレーディングの場合だと資金回転が速い顧客が多いので、理想的にはN+1前後で行う必要があります。これは、リテール業務が大半を占めるネット系証券会社にとっては、リスク低減のためにも不可欠です)
それでも、やはりフロントオフィスシステムの構築にはお金がかかるので、独自開発を行っている証券のほとんどが、外資との提携を通じてシステムコストを削減しています。代表的な例がイートレードとDLJで、イートレードの場合だとシステム全体が実はアメリカにあったりします。まぁ、イートレード本社の大株主にソフトバンクが名をつられていますしね。DLJの場合だとソフトだけもってきてという形ですが、最近は日本独自に変造していたりします。
フロントオフィス系がお金がかかるのはソフトだけではなく、ハードも結構かかります。データーベースサーバー、アプリケーションサーバー、Webサーバーという4層を取っている場合が多いですが、データーベースシステムは安全性と高速性から、(待機系としてではない)クラスタリングを行う場合が少なく、ほとんどがハイエンドクラスの化け物サーバーを使っています。例えば、松井や日興はE10000を、DLJはSuperDomeを使っています。アプリケーションサーバーはセッションごとに分散化を図りますが、例えばマネックスでもミッドエンジクラスのSunを10数台使用するなど大規模な構成をとります。
なぜ、このような大規模な構成にするかと言うと、オンライン証券ではピーク時に合わせてシステムを拡張しなければならないからです。と言うのは、ピーク時の約定注文が行えなかった場合、法令による処罰の可能性がある上に、顧客の信用を失いやすいからで、寄り付き、後場寄りつき、引けなどの混雑時にあわせた拡張を行っています。また、独自の機能拡張部分への対応のために、システムが肥大化するという要因もありますが。
こういった観点で見れば、顧客数が多いのにもかかわらずフロントオフィス系を外部に丸投げしている中小証券のネットトレーディングサービスや、イートレードのような証券は個人的にはトラブルが多いと感じています。また、逆にシステムの負荷を軽減させるために独自のトレーディングソフトを提供しているDLJや松井といった証券は、安定性の点から言えば、優れていると思います。
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