von_yosukeyanの日記: バンカーのビジネスモデル
以前にも書いたことだが、かつてのように都銀は預金量を競う時代は終った。今、積極的に定期預金をかき集めているのは、経営規模の小さな信金や地方銀行くらいで、都銀の多くは(地銀などとは性質が違うが、資金的にショートしかかってるところを除いて)預金者獲得に極めて消極的だ。
にもかかわらず、都銀の多くは積極的な顧客獲得を行っているが、これは何を意味しているのだろうか? これは単純に、銀行が「預金者から低利で預金を獲得し、大企業に低利で貸し付ける」というビジネスモデルから、手数料収入中心のリテール戦略を強化しているからである。
単純にリテールと言っても、様々なサービスが存在する。例えば、信託銀行のような資金運用的なサービスもあれば、決済やATM利用などの利用料、カードやローンなど個人信用業務などである。
#最近、銀行の無担保個人ローン(いわゆるサラ金)分野への進出をめぐって、実弾(複数の意味において)が飛び交ってたり、訴状が乱舞していたりするが(寺網関係で)、某大手業者が大反対してたりとか・・・(以下自粛)
この分野でかなり積極的な攻勢に出ているのは三井住友銀行(SMBC)である。SMBCは子会社にジャパンネット銀行(旧さくら銀行系)を要し、2001年経営計画ではリテール収益を2000年の5倍規模に拡大する野心的(ある意味無謀)な計画を立てている。現在のところ、他の金融グループに比べて統合や経営意思統一の進み具合からしてこの分野ではかなり先行している。
財務基盤が磐石な三菱東京FG(BTM)は、元々リテールはかなり弱い。融通の利かなさと変人ぶりではSMBC並みといわれる堅実な経営が仇となってか、リテール部門で他行の後塵を拝しているが裕福層の囲い込みや、グループ企業の再編ではかなりのスピードがあり、慎重だが着実な戦略と言える。
UFJ銀行や大和銀HDは、元々リテール部門はかなり強い部類だが、明確な戦略性に欠け、残念ながら優位性を積極的に生かすに至っていない。
問題はみずほである。経営内紛に関しては(旧第一系と旧日本勧業系の対立というのはマユツバとしても)おおむね報道されている通りで、参考の意思統一は遅いし、何より統合三行の行名だけ変更しただけのような中途半端な経営体制の再構築は失笑物である。
#みずほファイナンシャルホールディング(持株会社)の元に置かれる主要中核企業4社とは、みずほ銀行(リテール)、みずほコーポレート銀行(ホールセール)、みずほ信託銀行(信託銀行業務)、みずほ証券(証券業務、さらに投資銀行業務としてさらに子会社あり)
スケールメリットの追求だけでは、都市銀行は生き残れない。多くのアナリストの懸念は、多数の子会社によって業務が分断され意思疎通の阻害や経営の迅速化を疎外するという銀行側の事情だけではない。最も懸念されるのは、顧客(個人にしても大企業にしても)にとって、みずほという巨大銀行グループの誕生自体に何らメリットを見出せない点である。そういう意味で、みずほは金融ビジネスモデルの構築に失敗していると言えるのではないだろうか。
#ちなみに、噂ということにしておきたいのだが(風説の流布でつかまったら困り物だしな)、5大都銀で自己資本比率がプラスであるのは2行か3行のみで、残りは自己資本比率がマイナス(超過債務)状態であるという。
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