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von_yosukeyanの日記: 時限爆弾

日記 by von_yosukeyan

さて、当り障りのないことを書いてると飽きられるので、当り障りのない範囲(ちょっと調べればわかる範囲)で、面白い話(背筋が凍る話)でもしようと思う。

5大金融グループの統合は、おおむね以下の通りだ(多少誤りがあるはずなので、突っ込みよろ)

■三菱東京ファイナンシャルグループ(MTFG)
三菱銀行(三菱財閥系、国内法人業務主体)
東京銀行(国内・海外法人業務主体)
三菱信託銀行(信託銀行業務)
国際証券(中堅証券会社)

■三井住友銀行(SMBC)
さくら銀行(三井財閥系、旧太陽銀行、旧神戸銀行、旧三井銀行、法人・個人業務)
住友銀行(住友財閥系、法人業務主体)
住友信託銀行(信託銀行業務)
(大和證券)

■みずほファイナンシャルホールディング(MFH)
富士銀行(芙蓉・安田財閥系、法人業務)
第一勧業銀行(旧渋沢グループ系、旧川崎財閥系、旧古川財閥系、旧第一銀行、旧日本興業銀行 リテール・法人業務主体)
日本興業銀行(旧特殊銀行、投資銀行業務)

■UFJグループ
三和銀行(日産コンツェルン系、リテール)
東海銀行(リテール)
東洋信託銀行(信託銀行業務、旧神戸銀行から分離)

■大和銀行ホールディングス
大和銀行(旧野村財閥系、リテール、信託業務)
近畿大阪銀行(地方銀行)
奈良銀行(地方銀行)
あさひ銀行(旧埼玉銀行、旧協和銀行。リテール主体)

■三井トラストホールディングス
三井信託銀行(信託銀行業務)
中央信託銀行(信託銀行業務)

さて、統合行を一覧してみると、いくつか問題行が存在していることがわかるだろう。

まずMTFGだが、国際証券の存在が目につき、リテールが脆弱であることがわかると思う。現三菱証券(三菱銀行系三証券と国際証券の四証券)は、現在の証券不況の影響をモロに喰らって業績が低迷、近年も行政処分問題や経営紛争で騒がしい会社だ。
最も安全な銀行に見えるが、経営陣の一部には未だに旧三菱系と旧東京系の対立が存在すると言う。また、システム統合プロジェクトで事実上破綻しているものもあり、楽観はできない。
壊滅的にダメなリテール部門の増強が急務だが、投資銀行業務に欲を出しすぎると大火傷をする可能性も無きにしも非ずといえる。また、これまで無傷でいられたのは単に両行の変人ぶりと、「石橋を叩いても納得できずに、ダイナマイトで破壊してやっぱり渡らない」という機動力の低さが挙げられるが、今後もその戦略が通用するとは限らない。

SMBCは、旧さくら銀行の母体となった旧太陽神戸銀行の不良債権問題と、旧住友銀行の不良債権問題があるが、旧国際証券と同様に軽微な問題であると認識されている。が、現実には熊谷、フジタ、三井建設などのゼネコンへの不良債権総額が2兆4000億円(昨年8月時点)と巨額であり、さらに系列損保・生保問題が地雷のように存在している。ただ、他行のような経営内紛は発生しておらず、システム統合も(件数的にいくつかトラブルがあるにせよ)おおむね順調に進んでいるが、予断を許さない
リテールの大幅な増強を発表しているが、市場の現状を見れば甘いと思う。ただ、経営陣の変人ぶりは他の金融グループの中で群を抜いているので、単純な個人顧客としては安心できるかもしれない。

みずほの最大の癌は、旧日本興業銀行の不良債権問題だ。長谷工と青木の二社で1兆円超のゼネコン債権があるが、オリエンタルコーポレーション、マイカルなど問題企業・不良債権の総計は1兆9000億円と、SMBCに近い。状況を逼迫させているのは、グループの保有株式評価額が3000億円の含み損(昨年3月末時点)あり、財務上極めて深刻な状況にある。(というか配当原資がスッカラカン)
みずほの問題点は、何度も述べたが経営内紛とシステム統合の大混乱である。国有化が取り沙汰される銀行でありながら、経営方針が首尾一徹せず、機密情報である経営資料が大量に行外に流出するなど危機意識が極めて薄く、現時点では絶望的な状況であると言えるだろう
変に海外業務や投資銀行業務に欲を出しはじめたが、みずほのリソースでは確実に失敗すると思われる。また、経営戦略の再考がなければ、法人営業でも失敗する可能性が高いといえる。

UFJは東海銀行の不良債権問題が極めて深刻で、統合がなければ大和、あさひ、興銀と同様に本来なら市場から退場すべき銀行であった。最大の癌が東海銀行分のダイエーへの債権問題で、株価急落の要因となった。(UFJは混乱はあったがシステム統合はかなりすんなり行った方だと思う。というか都銀系では一番まともかも)
リテールの強みを生かした戦略が必要だが、インパクトに欠ける上に若干の危機感の欠如がある。ただ、合併で変人度が上がっているので、今後に期待できる。

#特殊銀行とは、国の金融・経済政策を推敲するために政府の出資によって設立された国策銀行を指す。興銀のほかに、勧銀、日本長期信用銀行(現新生銀行)、日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)、北海道拓殖銀行(現北洋銀行)など(以上現民営行)、日本開発銀行、日本輸出入銀行、商工組合中央公庫など(以上現特殊銀行)、国民金融公庫など9公庫が存在する。

#大和證券はSMBCグループには入らないが、合弁関係にある

#UFJにはあさひ銀行が参加する予定だったが、ご承知のとおり昨年8月に離脱し、横浜銀行、三菱東京、ソフトバンク、SMBCなど手当たり次第提携を模索したが、結局「ゴミ箱」大和銀行グループに参加した。

#財閥系といっても、三井、三菱、住友、安田、古川、川崎、日産、理化学研究所、みたいな話じゃなくて、株式持合いや取引関係が強い企業集団を財閥系と呼んだほうが妥当に思える。この定義だと、三井、三菱、住友の三大財閥だけで、芙蓉グループ(安田系)は単に富士銀行を中心としたグループ、第一勧業銀行グループ(三金会)は富士よりも緩やかな企業集団、三和銀行系は日産など中小財閥の集合体みたいな感じ(三和の歴史に詳しくないからおそらく間違ってるが)だと思う。
余談だが、この「財閥系銀行」というイメージは、戦後金融史において様々な悲劇を生み出してきた。戦後の12大都市銀行のトップに実質的に君臨しつづけてきたのは言うまでもなく三菱銀行だが、三菱銀行の反官僚主義、反大蔵省の姿勢は異常とも言えるものだった。徹底的に官僚との癒着を嫌い、おかげで何十年も金融政策当局から様々な嫌がらせを受けていた三菱だが、それは単に「三菱財閥の盟主」という自尊心と、バンカーとしての高潔な精神からである(取引企業としては嫌な銀行だ)
その三菱に対して、憎悪にも似た嫉妬の念を抱いてきたのは、由緒からいえば三菱とタメを張れるほどの三井、住友、そして第一である。特に第一銀行は、渋沢栄一子爵によって設立された第一国立銀行を起源にもつ名門銀行で、元々三井財閥とのの繋がりもあった。戦中、三井銀行と第一銀行は合併し、帝国銀行となったが企業文化の違いから戦後分裂した。分裂後も、第一銀行は「打倒三菱」(文化的には第一は三菱にかなり近いと思うが近親憎悪というヤツなのかもしれない)のスローガンを掲げつづけ、コンプレックスがバブル期の無理な拡張となって顕れたのかもしれない。
財閥系でもなく、名門銀行ですらない銀行の中にも、三大財閥系銀行や第一勧業銀行へのコンプレックスからグロテスクな経営戦略を取らせたところもある。興銀、長銀、拓銀の三大特殊銀行は、バブル期に財閥系銀行と肩を並べることを目指し、問題のある融資、無謀な海外戦略、果てには粉飾決算と、バンカーの道を踏み外す様々な所業を行ってきた。特に、興銀は国策銀行という歪んだエリート意識から、まず三菱を憎悪し、次には住友を追撃するため無謀な拡張を行い、そして後に残ったのは大量の不良債権だけだった。おまけに、興銀は取引企業との間の信頼を完全に失ってしまい、自ら蔑視して憚らなかった第一勧業・富士グループ入りすることになる

#大和銀行と大和證券は(元々からして)無関係である。大和銀行は、戦前の野村財閥系の銀行で、名称もかつては野村銀行だった。一時期、大和銀行は野村證券との提携を模索していたが、損得勘定のみで生きる変人集団野村證券の文化には合わなかったようだ。

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