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von_yosukeyanの日記: 産業革命とインターネット(1)

日記 by von_yosukeyan

最近読んだ本の話で恐縮だが、インターネットはグーテンベルクよりもむしろ鉄道革命と対比されることが多い。グーテンベルクは、印刷技術によって知をかび臭い僧院や大学の書庫から解放し、データーの大量複製を可能にした。これはちょうど、PCの普及とCD-ROMやオンラインデーターベースが急速に普及した70年代から80年代にかけての情報化時代に相当するだろう。単純に経済データーが電話回線を利用して、日経の大型コンピューターからダウンロードできるだけでもすばらしいことだし、判例や新聞記事、百科事典がCD-ROMに収められただけで専門家の作業を軽減するだけでなく、死蔵されていた大量の情報に一般の人々がアクセス可能になった。

だが、複製されたデーターは所詮静的なものでしかないし、それがフィードバックされ元々のシステムに還元されるわけでもない。鉄道の普及は、地域に孤立した人々の移動を容易にし、膨大な物資や人、そして情報の流通を加速した。それは、ウィナー以前の科学観から見れば、物質の移動が迅速化しただけだが、情報の流通と言う観点から見れば、それは知的活動の活発化を意味する。鉄道以前の時代である1847年、パリで革命が起こったとき、それがウィーンに波及するまで数週間がかかっていた。それが、鉄道が敷かれた結果、1871年のフランスの敗北は、1週間もかからずロシアまで達した。

おそらく、最初にIT革命なる言葉を提唱した経済学者たちは、そういった技術や時代の変化を敏感に嗅ぎ取ってそう名づけたのだと思う。だが、実際には(特に旧来のメディアによって)IT化を単なる情報化と勘違いして紹介した。そう言った勘違いが、生産性を阻害する情報システムを構築したり、こういったトンチンカンなシステムを生み出す原因になっていると思う。

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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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