オーロラの幻想的な輝きは何世代にもわたって見る者に畏敬の念を抱かせてきた。中でも、激しい輝きが炸裂する「脈動オーロラ」は圧巻だ。発生の仕組みは長年未解明だったが、今回、カリフォルニア大学の科学者チームがその誘因を発見した。 　通常のオーロラは1000キロ以上にわたって延び、1回に数分間続く。一方、媚薬花痴脈動オーロラは幅100キロほどの小さな光の帯で、5～40秒おきに点滅するため、上空で光が爆発しているように見える。 　プロジェクト・リーダーを務め、カリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）で研究する西村幸敏氏は、「オーロラ物理学の世界では、なぜオーロラが脈動するのか40年以上も問題となってきた」と話す。 　だが、同氏のチームでは、地球を保護している泡状の磁気圏で発生した特定の種類の電磁波が脈動オーロラの原動力になっていることを突き止めた。 　太陽風（太陽から放出される荷電粒子の流れ）は地球の磁場に到達すると大気圏に流れ込む。荷電粒子は大気分子と衝突するが、このとき、「コーラス波」と呼ばれる爆発的な光が発生する場合もある。 　西村チームは、カナダ北部とアラスカの地上に分散設置された全天イメージャー20台を活用し、高感度CCDによる超高層大気の観測を行った。この装置はカナダ宇宙庁（CSA）とNASAによる磁気圏観測衛星テミス（THEMIS）ミッションの一部だ。同ミッションには5機の地球周回低軌道衛星も含まれている。 　研究チームが幸運をつかんだのは、2009年2月15日の夜、曲美 正規品地上のCCDカメラ1台が脈動オーロラをとらえたときだった。上空を飛ぶ衛星1機が同時に検出したコーラス波が、オーロラの脈動と連動していることがわかったのだ。 「これには驚いた。コーラス波と脈動オーロラの強度に高い相関性が見られた。今回の最新データを活用すれば、より正確な磁場モデルを構築できるはずだ」と西村氏は語っている。