yasuokaの日記: アイヌ語に「虎」は無いのか
思うところあって、アイヌ語で「虎」をどう言うのか調べていたところ、Михаил Михайлович Добротворский『Аинско-русскій словарь』(Казань: Университецкая типография, 1875)の語彙番号1519に「虎」を見つけた。
Ивайсаруспѐ. С. тигръ (въ древности были на Сахалинѣ).
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思うところあって、アイヌ語で「虎」をどう言うのか調べていたところ、Михаил Михайлович Добротворский『Аинско-русскій словарь』(Казань: Университецкая типография, 1875)の語彙番号1519に「虎」を見つけた。
Ивайсаруспѐ. С. тигръ (въ древности были на Сахалинѣ).
思うところあって、Carpenters『Touch Me When We're Dancing』のブッ飛んだ間奏のコード進行を耳コピし直してみた。ただ、この部分がト長調の中でいかにブッ飛んでるかを示すために、全体のコード進行をざっと見てみることにする。
本田優子「象潟に伝存する『蝦夷方言藻汐草』について」(雄波郷, 第7号(2013年3月), pp.1-8)が指摘するとおり、象潟郷土資料館蔵『蝦夷方言藻汐草』は他の版とは大きく異なっている。運よく象潟版『蝦夷方言藻汐草』の「ヱナウ」のページを見ることができたので、アイヌ語の項目をざっと書き写した。
ヱカユプ プシ
ヱナウ
シトヱナウ
ヱナウキケ
キケパラセ
キケツノヱ
ヱナウシヤン
カムイタグシヤ
ルイシヤン
マキリ イヒラ
ケマコルシントコ ホツカイ
シヨロ ホケカ子
これに対し、加賀家文書館(別海町)蔵の『蝦夷方言藻汐草』(整理番号K3-49)は、以下のような並びである。
上原熊次郎・阿部長三郎『藻汐草』(白虹斉[最上徳内]、文化元年)の「チヤーラケ」には、カタカナでアイヌ語が書かれており、右横に漢字で傍訓が付与されている。最初の「イカラク子クル」には「姪人」という傍訓があるので「e=karku ne kur」だろうというのが分かるし、次の「子フイタウン」には「何云」という傍訓があるので「nep itak un」だろうと想像がつく。「トノトシリカ」には「宴中」という傍訓があるので「tónoto sir ka」だと思われるのだが、さてその次の「ワイヌンヌ」に「慮」って何だろう。そのまた次の「クケナンコラ」に「為焉」は、たぶん「ku=ki nankor a」あたりだと思う。
一昨日・昨日の日記の読者から、中村和之「李志恒『漂舟録』にみえるアイヌ語について」(北海道民族学, 第3号(2007年3月), pp.22-28)を読んでみてほしい、との御連絡をいただいた。何でも1696年頃のアイヌ語が、ハングルで書かれているらしい。
昨日の日記に続いて、『アカント ウン コタン』(国立アイヌ民族博物館, 2023年3月14日)の02ページを読んでいたところ
잇소로레.
여러분 어서 오십시오.
국립아이누민족박물관 제4회 테마 전시 ≪지역을 통해 본 아이누 문화전: 아칸토 운 코탄 ― 아칸 호반의 아이누 문화 ― ≫를 개최합니다.
という文章を見つけた。最初の行は「イㇱソロレ。」に読める。とすると「아칸토 운 코탄」の部分は「アカント ウン コタン」だろう。さて、これ、ハングル表記のアイヌ語っていう理解でいいんだろうか。それとも、カタカナ表記のアイヌ語をハングルに転写した、と考えるべきなんだろうか。
『イコㇿ ウエカリレ』(国立アイヌ民族博物館, 2022年9月17日)の04ページを読んでいたところ、妙なハングルの文に出くわした。
이란카랍테.
여러분 어서 오십시오.
국립아이누민족박물관 제5회 특별 전시「이콜 우에카리레 아이누 자료를 컬렉션하다」를 개최합니다.
最初の行は「イランカラㇷ゚テ。」に読める。とすると「이콜 우에카리레 아이누」の部分は「イコㇿ ウエカリレ アイヌ」だろう。うーむ、これ、ハングル表記のアイヌ語っていう理解でいいんだろうか。それとも、カタカナ表記のアイヌ語をハングルに転写した、と考えるべきなんだろうか。
10月7日の日記の続きだが、「トゥ」を表す「アイヌ文字」をとりあえず「⿻トゥ」(U+2FFB U+30C8 U+30A5)で表すことを考えてみた。が、うまくいかない。そもそも、U+2FFBをカタカナに適用するのがマズイ。また、『アイヌ・モシリ』第3号 (1958年3月) p.7左の「対応表」によれば、「トゥ」を表す「アイヌ文字」は3種類もあって、うち1つは「ツ゚」である。しかも、中川裕「アイヌ人によるアイヌ語表記への取り組み」(表記の習慣のない言語の表記, 2006年3月, pp.1-44)も指摘するように、山本多助は「アイヌ文字」に固執しておらず、実際『イタㇰ カシカムイ』(北海道大学図書刊行会, 1991年5月)では「ト゚」を使っている。うーん、4種類もあるのか、難しいなぁ、どうしたらいいんだろ。
にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー