yasuokaの日記: 常用漢字1945字と人名用漢字983字 9
いつになっても「足りない」と不満の声がある人名用漢字。すったもんだの末、平成十六年九月二十七日に四八八字も増やしたのに、「矜」の字を入れそこねていた。子を「矜持」と名づけようとした親が役所に拒否されて、訴訟沙汰になっている。
「矜持」事件(最高裁判所 平成18年(オ)第1519号 平成18年10月27日判決)のことを言っているように思えるが、だとすると、佐屋町役場が「矜持」の出生届を拒否したのは、平成12年5月のことだ。しかも、この親が佐屋町長を相手どって訴訟を起こしたのも、同じ平成12年のことだ。平成16年の人名用漢字追加の際に、この訴訟が再燃して新聞ダネになったのは事実だが、そもそもの事件そのものは平成12年の話だ。
現在、子供の名づけに使える漢字は「常用漢字」一九四五字と「人名用漢字」七七八字の合計二七二三字だ。正確にいうと、さらにそれ以外に「真」に対する「眞」、「仏」に対する「佛」のような正字体も二〇五字、なぜか人名用漢字に指定されている。
違う。人名用漢字は983字なので、合計は2928字だ。人名用漢字983字は、774字と209字の二つの表から成っていて、209字の方が常用漢字の「異体字」ということになっている。「眞」や「佛」は、この209字の方に含まれている。それにしても、「七七八字」や「二〇五字」なんて不正確な数字、どこから出てきたんだろう?
逆に、いかにも名づけに使いたくなりそうな「榮」「澤」「鐵」「萬」などは、人名用漢字許容字体に指定されず、したがって人名用漢字になっていない。
違う。人名用漢字の新字旧字:「栄」と「榮」にも書いたとおり、「榮」は平成16年9月27日に人名用漢字に追加されている。「萬」も同様に人名用漢字となっている。
というか、そもそもこの泉幸男という人物、平成16年9月27日時点での人名用漢字を全く目にすることなく、この文章を書いているように思える。もし目にしていれば、「榮」や「萬」が追加されてることぐらい、すぐ気づくはずだ。『ビスタに負けた朝日字体』でもそうだったが、ちゃんとウラを取る気がないのだろう。
当用漢字表と当用漢字字体表の差分は438字? (スコア:1)
『新 誤字俗字・正字一覧表』(テイハン、平成17年)の4頁6行目に、当用漢字表と当用漢字字体表の字体の差分は438字、という内容の記述があります。
この438字の字種を特定したいのですが、法務局および法務省に質問しても、特定できない旨の返事がありました。
安岡先生、ご存じないですか?
当用漢字表と当用漢字字体表の差分は472字? (スコア:1)
ご本人が「訂正」を公表 (スコア:1)
人名用漢字は985字に (スコア:1)
人名用漢字許容字体表205字 (スコア:1)
こういう変遷を経て209字になっているのに、205字なんて不正確な数字を出してきて、しかも「榮」や「萬」が人名用漢字に追加されたことを知らないんじゃ、「ちゃんとウラを取る気がないのだろう」としか申せません。