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日本

yasuokaの日記: 南沙織と人名用漢字

日記 by yasuoka

日本経済新聞「ことばオンライン」の『三原「修→脩」 名監督の改名は筋書きのないドラマ』(中川淳一、2012年1月10日)の

人名用漢字の歴史に詳しい京都大学の安岡孝一准教授は「歌手の南沙織(芸名、71年デビュー)のように、確実に人名用漢字に影響を与えた有名人は存在する」と指摘します。

という文に関して、「南沙織が人名用漢字に影響を与えた」証拠はあるのか、という御意見をいただいた。まあ、難しいところだが、たとえば、鬼沢慶一が読売新聞1976年3月28日朝刊p.27に書いたコラム『ひと 南沙織』の以下の部分が挙げられるだろう。

“サオリスト”は多い。狂ってるを自認するフォークの泉谷しげるは、まな娘に「沙織」と名を付けた。作家の大岡昇平さんも“右へならえ”。

「沙」が人名用漢字に入ったのは4ヶ月後の1976年7月30日なので、このコラムはガセネタっぽい。が、実際、出生届に「沙織」と書いて出した父親は、当時かなりの数にのぼり、戸籍窓口が対応に苦慮したのも事実だ(cf. 釧路家庭裁判所帯広支部昭和54年(家)第71号)。その意味では、南沙織が人名用漢字に影響を与えた、というのは、まず間違いない事実だと私は信じる。

ただし、三原脩が人名用漢字に影響を与えたかどうかは、私にはわからない。証拠がないというか、そもそも判断する材料がないのだ。

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