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日記

yasuokaの日記: Re: 黒沢ビルのトロッコレール

日記 by yasuoka

黒沢ビルのトロッコレールに関して、大川三雄・近江栄・小黒康弘・小松昌司・横村宏・三橋博巳「RC造オフィスビルの先駆」(『日本建築学会大会学術講演梗概集』1980年9月、計画系分冊pp.2089-2094)に

ベルギー・プロビデンス社製の輸入品であると思われる。

と指摘されている、との御連絡をいただいた。しかし正直なところ、Providence社製の可能性は、かなり低いと思う。

西野保行・淵上龍雄「レールの趣味的研究序説」(『鉄道ピクトリアル』1977年1~3・12 月号、1980年12月号、1981年1月号)や西野保行・小西純一・淵上龍雄「日本における鉄道用レールの変遷」(『日本土木史研究発表会論文集』1982年6月pp.30-37・1983年6月pp.126-135)などにもあるとおり、Providence社の刻印の特徴は、いわゆる「三角目玉」だ。しかし、黒沢ビルのトロッコレールの刻印は「B.1A」で、「三角目玉」は見つかっていない。また、Providence社には、「M」や「R」から始まる刻印は多く見つかっているが「B」はない。その点で、Providence社製である可能性は、極めて低いと考えられる。

と言うか、小黒康弘自身も、その後の論文「黎明期の鉄筋コンクリート構造」(『施工』1981年4月号pp.67-73・5月号pp.65-72・6月号pp.63-72)ではProvidence社製という説を採用していない。そもそも「RC造オフィスビルの先駆」は、建築学会全国大会での速報という意味合いが強く、その後の化学分析の結果、訂正されてしまった内容を数多く含んでいる。黒沢ビルに関して正確な分析結果を知りたい方は、最終報告書である『旧黒澤ビル解体調査報告』(日本大学理工学部、1983年7月)を熟読することを、強くオススメする。

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