yasuokaの日記: サミュル・サミュル商会と日瑞貿易とライジング・サン石油
日記 by
yasuoka
日瑞貿易に関して、手持ちの資料をチェックしなおしていたところ、藤原正造『谷村貞治の生涯』(博光出版、平成11年6月)の中に妙な記述をみつけた(p.69)。
そうした日本の右翼化に対し、イギリスから来て貿易拡大に努めていたサミユエル商会も、谷村が入社して二年目の大正十五年には、同社が逓信局とのトラブルもあって、致し方なく日本に於ける一切の権限を、新規に創設された「日瑞貿易会社」(日本とスイスとの合弁会社である)に委譲をして、日本からサミユエル商会は撤退をしたのでした。しかしサミユエル商会の副社長は引き揚げるに際して、自分がスカウトした谷村の身分は従来のまま、主任技師兼工場長として新規の「日瑞貿易会社」に引き継ぎをしてくれたのでした。
「タイプライターに魅せられた男たち」(三省堂ワードワイズ・ウェブ)にも書いたが、この時、新規に設立されたのは日瑞工作所だ。日瑞貿易じゃない。Gebrüder Volkartが日瑞貿易を設立したのは、大正8年8月で、ざっと7年前のことだ。
また、サミュル・サミュル商会(Samuel Samuel & Company)は、全権限を日瑞貿易に継承したわけではない。サミュル・サミュル商会の権限のうち、たとえば石油に関する大部分は、明治33年4月設立の子会社ライジング・サン石油に委譲されている。ライジング・サン石油は、戦後、シェル石油を経て、昭和シェル石油となった。すなわち、サミュル・サミュル商会の石油部門は、現在も昭和シェル石油として、日本に生き続けているわけである。
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