yasuokaの日記: 国税庁のマイナンバー提案依頼書
『日経コンピュータ』2013年9月19日号(No.843)を読んでいたところ、玄忠雄の「マイナンバー向けIT調達、まず国税庁から、技術中心にベンダー選定、クラウドも活用」(p.13)という記事が目に入った。国税庁のマイナンバー入札2件(2013年8月15日官報告示)に関する記事だが、それにしては内容がおかしい。端的に言うと、国税庁が公表している提案依頼書2件(法人番号システム・共通番号管理システム)をちゃんと読まずに、記事を書いているように見える。たとえば、共通番号管理システムについて書かれた以下の部分。
京都市にある「通り名」などの特殊な地名も自動的に名寄せできるほか、人名漢字を扱うべく文字コードに詳しい技術者の参加もベンダーに求めた。
あるいは、システム全体に関して書かれた以下の部分。
また今回の2システムは、コストを抑えるため、総務省が省庁横断で3月に運用開始したプライベートクラウド「政府共通プラットフォーム」を採用することも明記した。
国税庁の提案依頼書を読めばわかるが、「文字コードの取扱いに関する精通者を1名以上」求めているのは、共通番号管理システムではなく、法人番号システムの方だ。また、「通り名」の正規化変換(名寄せ)をおこなうのは、基本的にKSKシステムの仕事で、共通番号管理システムは名寄せの結果を使う側のはずだ。一方、「政府共通プラットフォーム」を使用するのは、法人番号システムの法人番号公表機能と情報提供機能だけで、最も重要な部分である法人番号指定・管理機能に関しては、独自サーバを構築することになる。しかも、2システムのうち共通番号管理システムは、「政府共通プラットフォーム」を全く使用しない。
マイナンバーで「クラウドも活用」と記事に書きたい気持ちはわかるが、これでは「飛ばし記事」以下だ。しかも、国税庁の提案依頼書を読めば、誰もが「飛ばし」に気づくような内容だ。『日経コンピュータ』の記事のレベルが下がっているのは事実だろうが、それでも国税庁システムの全貌ぐらい、ちゃんと調べてから記事にしてほしい。
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