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日本

yasuokaの日記: 穝、椥辻、薭田野、庾嶺坂

日記 by yasuoka

『行政&情報システム』の今月号(Vol.49, No.5)を読んでいたところ、榎並利博の『電子行政における文字コードと外字について』という記事にぶち当たった(pp.60-66)。今年2月の富士通総研レポートに較べ、さらに病状が悪化しており、もはや、妄想を書きなぐっているとしか思えないシロモノになっている。特に腐っているのが、以下の部分。

我が国における「一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すもの」として、文部科学省文化庁から常用漢字表が公開されている。この字種は2,136字であり、表外漢字字体表を合わせても、せいぜい3,000字である。すなわち、一般の社会生活においては約3,000字があれば十分であるとされている。結論として、現在日本語を扱うことができるすべてのコンピュータに搭載されているJIS第1水準とJIS第2水準の範囲内だけで社会的には十分であり、それ以上漢字を増やしていくことは、漢字に対する誤認識や無理解を助長するだけであり、社会的利益にはならない。

「約3,000字があれば十分」という説が仮に正しいとしても、その「3,000字」が「JIS第1水準とJIS第2水準」に納まっている保証はない。というか、『常用漢字表』(平成22年11月30日内閣告示第2号)だけ見ても、少なくとも「頰」や「剝」は、JIS第3水準だったりする。そこに『表外漢字字体表』(平成12年12月8日国語審議会答申)まで加えたりすると、「鄧」だの「鷗」だの、どう考えてもJIS第1・第2水準以外の漢字が必要になるのは、火を見るより明らかだ。どうして、「約3,000字があれば十分」という仮説から、「JIS第1水準とJIS第2水準の範囲内だけで社会的には十分」が「結論」として出てくるのか、少なくとも私(安岡孝一)には理解できない。

これらを踏まえ、問題解決のための案を下記に示したい。
<案1>
行政手続きで使用する漢字(氏名や地名など)をJIS第1水準と第2水準に制限し、それ以外の漢字の使用を法律で禁止する。現状でそれ以外の漢字を使っている場合は、JIS第1水準と第2水準の範囲内の類似した漢字に置き換え、置き換え不可能な漢字については「ひらがな」または「かたかな」に置き換えることとする。なお、氏名漢字の置き換えについては、本人の同意を得ることが望ましいが、不可能である場合は職権によって行うこととする。
<案2>
案1に対して、行政手続きの戸籍業務については除外することとする。

だから、それ、全然「問題解決」になってないってば。もし仮に「約3,000字があれば十分」だとしても、その「3,000字」は人によってそれぞれ違っているんだよ。たとえば、岡山市中区の一部の方々の「3,000字」には「穝」が含まれているだろうし、京都市山科区の方々の「3,000字」には「椥」が含まれているだろう。亀岡市の方々の「3,000字」には「薭」が必要だし、ひょっとしたら、新宿区には「3,000字」に「庾」を必要とする方々がいると思う。だから、日本中の人々の「3,000字」を集めたら、もちろん3,000字や6,000字には納まらなくて、当然、もっと大きな文字集合が必要となる。

それを「法律で禁止」して、しかも、「穝」はダメだけど、「椥」は良くて、でも「薭」と「庾」はダメ、なんて「問題解決」が、うまくいくわけがないだろう。文字コードを馬鹿にするにもほどがある。もっと文字コードの歴史を、ちゃんと勉強してから出直して来なさい。

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