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政府

yasuokaの日記: 住民基本台帳法の三段階改正と日本年金機構

日記 by yasuoka

私(安岡孝一)が書いた『情報提供ネットワークシステムを経由しない日本年金機構の個人番号利用業務』に関して、住民基本台帳法の三段階改正が、読者の理解を妨げているフシがあるように思える。とりあえず現行の住民基本台帳法で、第三十条の四十三第一項及び第三項を見てみよう。

第三十条の四十三 市町村長その他の市町村の執行機関、都道府県知事その他の都道府県の執行機関、指定情報処理機関又は別表第一の上欄に掲げる国の機関若しくは法人(以下この条において「市町村長等」という。)以外の者は、何人も、自己と同一の世帯に属する者以外の者(以下この条において「第三者」という。)に対し、当該第三者又は当該第三者以外の者に係る住民票に記載された住民票コードを告知することを求めてはならない。
 市町村長等以外の者は、何人も、業として、住民票コードの記録されたデータベース(第三者に係る住民票に記載された住民票コードを含む当該第三者に関する情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。以下この項において同じ。)であつて、当該住民票コードの記録されたデータベースに記録された情報が他に提供されることが予定されているものを構成してはならない。

日本年金機構は「別表第一の上欄」に含まれているので、現時点では、住民票コードの記録されたデータベースを作ることができるし、そのデータベースに氏名・住所や基礎年金番号を記録しているわけだ。次に、番号法が施行されると、上記の条項は、第三十条の三十八第一項及び第三項に移る。

第三十条の三十八 市町村長その他の市町村の執行機関、都道府県知事その他の都道府県の執行機関、機構又は別表第一の上欄に掲げる国の機関若しくは法人(以下この条において「市町村長等」という。)以外の者は、何人も、自己と同一の世帯に属する者以外の者(以下この条において「第三者」という。)に対し、当該第三者又は当該第三者以外の者に係る住民票に記載された住民票コードを告知することを求めてはならない。
 市町村長等以外の者は、何人も、業として、住民票コードの記録されたデータベース(第三者に係る住民票に記載された住民票コードを含む当該第三者に関する情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。以下この項において同じ。)であつて、当該データベースに記録された情報が他に提供されることが予定されているものを構成してはならない。

番号法が施行された時点では、地方公共団体情報システム機構が現れるだけで、内容的には大きな変化はない。ところがこれが、個人番号カード交付開始と同時に、以下のようにガラっと改正されてしまうのだ。

第三十条の三十八 市町村長、都道府県知事又は機構(以下この条において「市町村長等」という。)以外の者は、何人も、自己と同一の世帯に属する者以外の者(以下この条において「第三者」という。)に対し、当該第三者又は当該第三者以外の者に係る住民票に記載された住民票コードを告知することを求めてはならない。
 市町村長等以外の者は、何人も、業として、住民票コードの記録されたデータベース(第三者に係る住民票に記載された住民票コードを含む当該第三者に関する情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。以下この項において同じ。)であつて、当該データベースに記録された情報が他に提供されることが予定されているものを構成してはならない。

この時点で、各自治体と地方公共団体情報システム機構以外は、住民票コードを取り扱うことを禁止されてしまう。日本年金機構も例外ではなく、住民票コードの記録されたデータベースを、もはや捨てなければいけない。そこで、日本年金機構は、自前のデータベースから住民票コードを外し、代わりに個人番号を入れることにしたわけである。さらに、情報提供ネットワークシステムが稼働すると、この条項は以下のように改正される。

第三十条の三十八 市町村長、都道府県知事、機構又は総務省(以下この条において「市町村長等」という。)以外の者は、何人も、自己と同一の世帯に属する者以外の者(以下この条において「第三者」という。)に対し、当該第三者又は当該第三者以外の者に係る住民票に記載された住民票コードを告知することを求めてはならない。
 市町村長等以外の者は、何人も、業として、住民票コードの記録されたデータベース(第三者に係る住民票に記載された住民票コードを含む当該第三者に関する情報の集合物であつて、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。以下この項において同じ。)であつて、当該データベースに記録された情報が他に提供されることが予定されているものを構成してはならない。

総務省は、情報提供ネットワークシステムにおいて、連携用符号を住民票コードから生成するため、住民票コードの記録されたデータベースを必要とするわけだ。情報提供ネットワークシステムが稼働した後の個人番号利用業務は、情報提供ネットワークシステムを経由するのが、もちろん正しいやり方である。それは日本年金機構であっても、例外ではない。

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身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

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