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政府

yasuokaの日記: 「嫡出子又は嫡出でない子の別」を出生届に書かせる戸籍法第49条と、その合憲性

日記 by yasuoka

『最高裁判所民事判例集』第67巻第6号が届いたので、ざっとチェックしてみたところ、平成24年(行ツ)第399号「住民票記載義務付け等請求事件」(平成25年9月26日第一小法廷判決)が掲載されていた(pp.1384-1482)。出生届に「嫡出子又は嫡出でない子の別」を記載しなかったために、出生届が受理されず(平成17年4月11日)無戸籍となり、最終的には違憲訴訟にまで発展した事件だ。判決要旨は以下の通り。

戸籍法49条2項1号の規定のうち,出生の届出に係る届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものと定める部分は,憲法14条1項に違反しない。(補足意見がある。)

判決理由については、『判例時報』第2207号(平成26年2月21日)のpp.34-38も併せて読んでほしいが、とりあえず、裁判官櫻井龍子の補足意見を引用しておく。

本件規定が嫡出でない子に対する不合理な差別的取扱いに当たるものではなく,憲法14条1項に違反するものではないとする法廷意見に賛同するものであるが,制度の在り方については別途の考慮を要するものと考えられるので,この点について補足意見を述べておきたい。
本件においては,上告人子の出生届の提出に際し,その届書に「嫡出子又は嫡出でない子の別」の記載がされなかったことから受理されず,結果的に上告人子が出生から7年以上にわたって戸籍に記載されず,ひいては住民票も作成されないという事態が生じていた。
その後,法務省が,平成22年に,届出人が補正の求めに応じない場合においても,届書,添付書類及び戸籍簿の記載との対照等によって補正すべき内容を認定することができるときは,付せん等にその内容を明らかにした上で,届出を受理するものとする旨を通知したことは,法廷意見に摘示するところである。
日本国籍を有するものであっていまだ戸籍の記載がない者について速やかに戸籍の記載がされるべきことは,戸籍法の要請するところであり,戸籍の記載がされない者については種々の不利益が生じ得ることは明らかである。出生届の記載の仕方という子本人の意思では左右し難い事情に起因する無戸籍状態のために,子自身に種々の不利益や不便さが生じるという事態は,確実に避けられるべき事態といえよう。
出生届に子が嫡出であるか否かの記載を求めることが,戸籍事務処理の便宜に資するものであることは認められるとしても,平成22年通知に記述されているとおり他に確認の手段があるのであるから,必ずしも事務処理上不可欠な記載とまではいえないであろう。そうであれば,本件のような事態に陥る嫡出でない子の問題の発生を将来にわたって極力避けるためには,父母の婚姻関係の有無に係る記載内容の変更や削除を含め,出生届について,戸籍法の規定を含む制度の在り方についてしかるべき見直しの検討が行われることが望まれるところである。

しかしながら、「戸籍法の規定を含む制度の在り方についてしかるべき見直しの検討」はおこなわれたものの、戸籍法改正案はことごとく廃案となってしまった。この結果、出生届の「嫡出子又は嫡出でない子の別」は、もし記載がなかったら「チェックボックスにチェックを入れてほしい」と戸籍係がお願いするものの、無理強いはせず記載なしでも受理する、という摩訶不思議な運用が続くことになってしまっている。私(安岡孝一)の2月15日の日記にも書いたが、法務省はこの摩訶不思議な運用を、一体いつまで続けるつもりなのだろう。

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