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教育

yasuokaの日記: #mayonezの考える当用漢字表と「自己研鑚」

日記 by yasuoka

#mayonezに関する私(安岡孝一)の一連の日記の読者から、#mayonezの「自己研鑽の読み方と使い方の例|自己研磨と自己研鑽・自己啓発の違い」(2017年4月2日)という記事も読んでほしい、との御連絡をいただいた。この記事には、当用漢字表に関する言及があるのだが、読んでみたところ、これが全くの大嘘だった。

■ 自己研鑽と自己研鑚の漢字、どちらを使う
自己研鑽と自己研鑚、読み方や意味はまったく同じです。「鑽」と「鑚」、なにが違うのでしょう。同じ読み、同じ意味なのに二つの漢字があるのは、戦後の1946年に定められた「当用漢字表」の影響があります。
当用漢字では字体を簡略化した新字体とすることが定められ、例えば、贊成→賛成、讚美歌→賛美歌などと簡略化されるようになりました。それまでは「研鑽」としていたのが「研鑚」という表記でもよくなったのです。当用漢字の制定によって文字が簡略化されることで二種類の字体ができ、現在でも二つの字体が使われているわけです。

違う。当用漢字表の使用上の注意事項にもあるとおり、「この表の漢字で書きあらわせないことばは、別のことばにかえるか、または、かな書きにする」のが原則だ。すなわち、当用漢字表の時代(1946~1981年)には、「自己研さん」と書くのが原則だった。それが常用漢字表の時代になって、「自己研鑽」でも「自己研鑚」でも、まあOKになったわけだ。

ちなみに「鑚」の字は、『開成石経』にも用例があり、唐の時代より以前から使われている。当用漢字表の制定以前からずっと使われてきた字体で、「当用漢字の制定によって文字が簡略化されることで二種類の字体ができ」たわけではない。嘘を書くのもいいかげんにしろ。

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