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yasuokaの日記: 投資信託入門サイトの考える電動タイプライターの歴史 1

日記 by yasuoka

『キーボード配列QWERTYの謎』の読者から、塚崎公義の「なぜ、マスコミはS&P500株価指数よりNYダウの値動きを報じるのか」(投信1、2017年8月6日)という記事を読んでほしい、との御連絡をいただいた。ざっと読んでみたのだが、QWERTY配列に関するガセネタがバラ撒かれていて、かなり閉口した。

QWERTYの法則と言われるものがあります。キーボードの配列の左上の文字列が、この順番になっている事が語源なのですが、問題は、なぜこうした不便な配列になっているのか、という理由にあります。かつて、電動タイプができる前、隣接するタイプライターのキーを続けて押すと、からまることがあったので、連続して押される可能性が少ないキー同士を隣接させる配列が選ばれたのです。

『「ECONOトリビア」QWERTY記事顚末記』にも書いたが、EとRは連続して打つ頻度が高いのに、QWERTY配列では、すぐそばに隣接して配置されている。EとDも同様だ。っていうか、「からまることがあった」って、一体全体、何が「からまる」の?

その配列で皆がタイプの練習をしたので、皆がその配列に慣れました。そうした時に、初めての電動タイプライターが発売になったのです。その時、メーカーは「最も使いやすい配列」と「皆が使い慣れた配列」のいずれを選ぶか、迷った末、後者を選んだ、というわけです。

「初めての電動タイプライターが発売になった」のは、私(安岡孝一)の知る限り、1901年発売のBlickensderfer Electricだけど、どう見てもDHIATENSOR配列だ。QWERTY配列じゃない。「迷った末、後者を選んだ」のって、どこのメーカーの話?

「我が社が最も使いやすい配列の電動タイプライターを発売したとして、ライバルが皆が使い慣れたQWERTY配列の電動タイプライターを発売するとすれば、初心者だけが我が社の製品を買い、それ以外は皆がライバルの製品を買うだろうから、我が社は倒産してしまうだろう」と考えたからです。

いや、だから、その「我が社」って、どこのメーカーの話? Blickensderferは、たしか1919年に倒産してるけど、それはBlickensderferがQWERTY配列を選ばなかったことが、倒産の理由なの?

S&P500株価指数が発表された時、マスコミはどちらを報道するか迷ったはずです。しかし、QWERTY配列と同様の理由でNYダウが採用されたのでしょう。

こんなガセネタを元に「QWERTY配列と同様の理由で」とか書かれても、少なくとも私にはサッパリ理解できない。

世の中は、正しいことが良いとは限りません。便利なものが使われるとは限りません。皆に受け入れられることも重要なのです。

だからと言って、ガセネタをバラ撒くのが、良いことだとは思えない。どういうつもりで塚崎公義が、QWERTY配列に関するガセネタをバラ撒いてるのかは知らないけど、投資信託の初心者相手なら騙せるとでも思ってるのかしら?

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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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