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日記

yasuokaの日記: 不条理な組織や戦略におけるQWERTY配列

日記 by yasuoka

9月27日の日記に関連して、菊澤研宗がQWERTY配列をどう考えているのか、書籍を4冊ほど読んでみた。まずは『組織の不条理』(ダイヤモンド社、2000年11月)p.95。

しかし、実際には、使用される単語の頻度や指の動きなどに関する人間工学的観点からすると、この配列は必ずしも効率的ではないといわれている。事実、このQWERTY配列は、あまり速くタイプを打つと、文字を打ちつけるアームが絡まるという問題があったので、逆に手の動きを遅くするために考案されたものであった。

次に『組織は合理的に失敗する』(日経ビジネス人文庫、2009年9月)p.102。

しかし、実際には、使用される単語の頻度や指の動きなどに関する人間工学的観点からすると、この配列は必ずしも効率的ではないといわれている。事実、このQWERTY配列は、旧式のタイプライターではあまり速くキーを打つと、文字を打ちつけるアームが絡まるという問題があったので、逆に指の動きを遅くするために考案されたものであった。

直後に『戦略の不条理』(光文社新書426、2009年10月)p.112。

当時はタイプライターの性能が悪く、早く打つと文字を打ちつけるアームが絡まるという問題がありました。そして、この問題を解消するために、指の動きができるだけ遅くなるように考案されたのが、「QWERTY配列」でした。

そして『組織の不条理』(中公文庫720、2017年3月)p.125。

しかし、実際には、使用される単語の頻度や指の動きなどに関する人間工学的観点からすると、この配列は必ずしも効率的ではないといわれている。事実、このQWERTY配列は、旧式のタイプライターではあまり速くキーを打つと、文字を打ちつけるアームが絡まるという問題があったので、逆に指の動きを遅くするために考案されたものであった。

17年たっても「アームが絡まるという問題」から離れられないらしい。何度でも書くが、「アーム」を有するフロントストライク式タイプライターが発明されたのは、1891年6月のことだ。これに対し、現在のQWERTY配列は、遅くとも1882年8月発売の「Remington Standard Type-Writer No.2」には採用されている。すなわち菊澤研宗の説を信じるなら、当時まだ存在していない「アーム」の問題を解消するためにQWERTY配列が作られた、ということになる。

菊澤研宗が、どうしてこんな馬鹿げた話に拘泥するのか、私(安岡孝一)にはサッパリ理解できない。不条理な組織や戦略をネタにする人間は、本人も不条理だということなのだろうか。

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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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