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日本

yasuokaの日記: 「胱」「腥」「腟」は人名用漢字なのか 4

日記 by yasuoka

ネットサーフィンしていたところ、呉智英の『「暴走万葉仮名」の分析に計量社会学者は立ち上がるべき』(NEWSポストセブン、2018年7月2日)という、ワケのわからない記事に行き当たった。タイトルからして計量言語学と計量社会学を混同している上に、中身はもっとワケがわからない。

1951年、日本の戸籍に子の名前として記載できる漢字が定められた。当初は100文字に満たない漢字しかなかったが、徐々に増加、現在は800文字超ある。

「子の名に使える漢字」のことを言いたいのだろうが、1951年5月25日の時点だと、当用漢字表1850字、当用漢字字体表1850字、人名用漢字別表92字が「子の名に使える漢字」となっていた。ちなみに、2017年9月25日現在で2999字になってるんだけど、「現在は800文字超ある」って何の話だろう?

ところで、私には吉川のような計量社会学者にこそ調査研究してもらいたいテーマがある。十年以上前から、新聞や雑誌に何度か書いてきた「暴走万葉仮名」だ。漢字の無理読みで付けた子供の名前のことで、暴走族の「夜露死苦」や「仏恥義理」と同系のものなので、そう名付けた。「今鹿(なうしか)」「雅龍(がーる)」「一二三(どれみ)」あたりはまだしも、偏(へん)の肉月の意味も理解せず、月光の意味で使った「胱(あかり、膀胱だよ)」「腥(すたあ、なまぐさだぞ)」「腟(らいと、月光の射す寝室?)」なんてのもあるらしい。

「胱」も「腥」も「腟」も「子の名に使える漢字」ではないので、いくら計量社会学者が頑張ったところで、「子供の名前」における用例はほぼ皆無だと思う。あるいは「胱」と「腥」は韓国の人名用漢字なので、もしかしたら韓国で調査をおこなうという意味なのかもしれないが、その場合でも漢字の読みが「胱」は「광」、「腥」は「성」に限定されるので、どう考えても「あかり」や「すたあ」にならない。ましてや「腟」は、日本の人名用漢字でも韓国の人名用漢字でもないので、呉智英が吉川徹に何を立ち上がってほしいのか、正直さっぱりワケがわからない。

そんなワケで、私(安岡孝一)自身は計量社会学者ではなく、あくまで計量言語学者の一人なのだが、呉智英の記事に載せられて、今日の日記で、ちょっとだけ「立ち上がる」ことにした。この呉智英の記事は、常用漢字も人名用漢字も全く理解しておらず、単なる屑記事だ。こんな記事に載せられて「立ち上がる」私のような人間は、まあ、バカだと言わざるを得ないだろう。

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