yasuokaの日記： 「申し訳ないが私は興味ない」の「ない」は同じなのか違うのか

Camphr-KNPで「申し訳ないが私は興味ない」という文を係り受け解析していたところ、面白い結果が出たのでdeplacyで可視化してみた。

$ python3
>>> import camphr
>>> nlp=camphr.load("knp")
>>> doc=nlp("申し訳ないが私は興味ない")
>>> import deplacy
>>> deplacy.render(doc)
申し訳ない ADJ  ═╗<══╗ advcl
が         ADP  <╝   ║ mark
私         NOUN ═╗<╗ ║ nsubj
は         ADP  <╝ ║ ║ case
興味       NOUN <╗ ║ ║ dislocated
ない       ADJ  ═╝═╝═╝ ROOT

「申し訳ない」が1語とみなされているのに対し、「興味ない」は「興味」と「ない」に分けられている。比較のために、unidic2ud.spacy＋現代話し言葉UniDicで係り受け解析してみよう。

$ python3
>>> import unidic2ud.spacy
>>> nlp=unidic2ud.spacy.load("spoken")
>>> doc=nlp("申し訳ないが私は興味ない")
>>> import deplacy
>>> deplacy.render(doc)
申し訳 NOUN  <╗     compound
ない   ADJ   ═╝═╗<╗ advcl
が     CCONJ <══╝ ║ cc
私     PRON  ═╗<╗ ║ nsubj
は     ADP   <╝ ║ ║ case
興味   NOUN  <╗ ║ ║ obl
ない   ADJ   ═╝═╝═╝ ROOT

「申し訳ない」が「申し訳」と「ない」に分かれていて、「興味ない」が「興味」と「ない」に分かれている。ただ、「申し訳」⇐compound=「ない」に対して、「興味」⇐obl=「ない」となっているので、結び付きの強さには、微妙に差があるのかもしれない。うーむ、日本語の「複合形容詞」って「学校文法」では習わない気がするので、さて、どうしたらいいかな。