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14200932 journal
教育

yasuokaの日記: Re:「頼朝与西行銀猫」という文の元ネタは何なのか 1

日記 by yasuoka

私(安岡孝一)の5月19日の日記の読者から、浜島書店の『最新国語便覧』に「頼朝与西行銀猫」という例文が掲載されている、との情報をいただいた。さっそく最新版(2020年2月5日印刷・発行)を見てみたところ、pp.382-383「漢文の基本」の中に「漢文の基本構造」という節があって、以下の7つの基本構造が示されている。

①主語+述語 「花開鳥啼」「孔子聖人」
②主語+述語+目的語 「我学漢文」
③主語+述語+{於 于 乎}+補語 「良薬苦於口」
④主語+述語+目的語+{於 于 乎}+補語 「孔子問礼於老子」
⑤主語+述語+補語+目的語 「頼朝与西行銀猫」
⑥主語+述語+補語+{於 于 乎}+補語 「管仲任政於斉」
⑦修飾語+被修飾語 「蕭蕭送雁群」
・目的語…述語が示す行為の対象を示す語。「AをBに…する」のAにあたる語。
・補語…行為の原因や場所を示し、述語の意味を補う語。「AをBに…する」のBとなる。

何というか、「漢文に主語って必要なの?」とか色々ツッコミたくなるのだが、とりあえず、⑤の例文として「頼朝与西行銀猫」が示されている。ただし、引用元の表示はない。『最新国語便覧』オリジナルの例文なんだろうか。しかも、⑤の注記として

④で、述語が「与・賜・授・贈・教・遣」などのときは、目的語と補語の順が逆になり、置き字を用いない。

とか書かれている。私の記憶が確かなら、『礼記』に「大夫士将与祭於公」という文例(雑記下)があった気がするんだけど、これ、どう説明するつもりなんだろう。どうみても「与」が「置き字」の「於」を用いてる例なんだけど。

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