>それは措くとしても、吉田証言を朝日新聞が取り上げたのは、あなたの指摘する1992年1月より前の1991年5月から。
>そんなことは、あなたも知っているだろうに。
聞蔵で検索すればわかりますけど、朝日は80年代から吉田清治を取り上げていますよ。
でもそれを言うなら、同じ時期に国会でも吉田証言は取り上げられていますし、他のメディアでも報道されています。
だけど、朝日の報道を問題視する立場の人が発端とするのは1992年1月の記事であって、それ以外の指摘は見たことがありません。
もし、そのような論者がいれば教えて下さい。
朝日の報道が決定的であった、というならこの92年を発端とせざるを得ないし、そうでないなら、みんな騙されちゃったね、という話でしかない。
>「国家の関与」も「強制」も問題にされていた、と言うのが正確なところでしょう。
いえ、そうではありません。以下に引用しますが、90年の議会で「強制連行」の定義を「国家権力による動員」とし、その上で、慰安婦については民間業者が連れ歩いたので実態を把握できないとしたために、国家の関与を示す資料が出てきたことがニュースになったのです。
(1990年6月6日 参議院予算委員会)
>○本岡昭次君 それから、強制連行の中に従軍慰安婦という形で連行されたという事実もあるんですが、そのとおりですか。
>○政府委員(清水傳雄君) 先ほどお答え申し上げましたように、徴用の対象業務は国家総動員法に基づきます総動員業務でございまして、法律上各号列記をされております業務と今のお尋ねの従軍慰安婦の業務とはこれは関係がないように私どもとして考えられますし、また、古い人のお話をお聞きいたしましても、そうした総動員法に基づく業務としてはそういうことは行っていなかった、このように聞いております。
>○本岡昭次君 先ほど言いましたように、海軍作業愛国団とか南方派遣報国団とか従軍慰安婦とかいう、こういうやみの中に隠れて葬り去られようとしている事実もあるんですよ。これはぜひとも調査の中で明らかにしていただきたい。できますね、これはやろうとすれば。
>○政府委員(清水傳雄君) 従軍慰安婦なるものにつきまして、古い人の話等も総合して聞きますと、やはり民間の業者がそうした方々を軍とともに連れて歩いているとか、そういうふうな状況のようでございまして、こうした実態について私どもとして調査して結果を出すことは、率直に申しましてできかねると思っております。
>○本岡昭次君 強制連行とは、それでは一体何を言うんですか。あなた方の認識では、今国家総動員法というものの中で、それが範疇に入るとか入らないとかと、こう言っておりますが、それでは範疇に入るものは、一体何人あったからそれはどうだとか言うんならわかるんですけれども、すべてやみの中に置いておいて、そういうものはわからぬということでは納得できないじゃないですか。
>○政府委員(清水傳雄君) 強制連行、事実上の言葉の問題としてどういう意味内容であるかということは別問題といたしまして、私どもとして考えておりますのは、国家権力によって動員をされる、そういうふうな状況のものを指すと思っています。
>でも実際には、吉田証言に騙された人達が、「狭義の強制」すらあった、と主張しちゃってましたね。
>それが嘘だということが、その後だんだん明かになって、吉田証言に騙された人達が「広義の強制」を主張する様になってきた、というのが正しいものの見方です。
狭義の強制が朝鮮半島であったかどうかについては判断を保留しますが、吉田証言に騙された人達が「広義の強制」を主張するようになってきた、というのは間違いでしょう。
「狭義の強制連行」という言葉は、92年9月の「諸君!」で秦郁彦氏が使ったのが最初とされていますが、それに先んじて「広義の強制連行」という言葉が使われた例を私は知りません。
したがって、国家の関与を認めざるを得なくなったために、狭義の強制に話を絞ろうとしたと考えるのが自然でしょう。
もし、この「狭義の強制連行」以前に「広義の強制」の用例があるのであれば是非教えて下さい。
>もちろん、「広義の強制」も良くないことです。
>「国家の関与」を広くとらえれば、それもあったでしょう。
>そのことを否定する人はいません。
いえ、残念なことですが、今朝の朝日新聞の特集を読む限り、少なくとも一人はいるようです。
>各種調査・研究の成果も簡単に得られる時代になったんだから、そんな小手先の誤魔化しは、もう通用しませんよ。
実に含蓄に富んだ言葉ですね。
ネットで調べられる程度のことを知らずに、適当なことを広める連中に言ってやってください。