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620433 journal

yosukeの日記: The price of privation. 2

日記 by yosuke

Dust rocks martian river theory.
このように、結局のところその場に行かないと決着がつかない、ということは自明である。でしょ?

The Space Reviewより。
本当は例の商務省のレポートを読んだほうがわかりやすいけど。あの長さのものを訳す気はあまり起きないし…。
というわけで、弾道飛行の商用利用について、この切り口は結構わかりやすいと思ったので。よく読むと、所得倍増計画っぽいうさんくささは微妙に感じるけど。まあいいか。
軌道上や月や火星についても説明があるけど、それはまだまだ商用ではない。でも、それだって経済学、らしい。
#弾道飛行は(軌道周回も)航宙ではないと考えてるけど、airless linesに対する適切な訳語を思いつかなかったので、そんな感じで。
##経済学は、暇つぶしに友人の教科書をさらっと眺めたことがあるだけなので、ほとんどわからない…。
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不自由の値段

Sam Dinkin
2004年5月24日(月)

何もしないで、小さな椅子にただ座っているだけの仕事を誰か引き受けてくれませんか?年間750,000ドルでどうでしょう?さて、私はAustinからLondonまでのエコノミー・クラスでのフライトに値段をつけただけであって、それは、ビジネス・クラスより片道あたり3,000ドル安いのです(往復で2,000ドル対8,000ドル)。もし、日給3,000ドルで250日働くならば、しかもしなければならないのは大きなシートの代わりに小さなシートに座っているだけで、年間750,000ドルになるでしょう。何らかの理由で、旅行者は不自由の代償を取引することができません。もし私のボスが、私を快適にするために誰かに1フライトあたり3,000ドル払う意思があるのなら、なぜ彼は私に直接1,500ドル払って私を不快にしないのでしょうか?

D.E. Shawの出張規程は、従業員がエコノミー・クラスに乗る場合、エコノミー・クラスとビジネス・クラスの差額の半額を支払うことになっています。彼らは、従業員が頻繁にヨーロッパに行くことで損をします。しかし、従業員が2倍も出張しなければ、この規定によって、ビジネス・クラスに支払うよりも安くなるでしょう。

パイロットのMike Melvillは、5月13日(木)に行われた、SpaceShipOneの高度65kmへのテスト・フライトの後で、CNNにこう語りました、"素晴らしい気分だ、信じられない。もう一度体験するためなら百万ドルだって払うつもりだ"。もし彼が乗客として数年のうちにもう一度体験したいなら、たぶん102,000ドルで高度100kmまで上がれるし、旅行取消費用保険だって使えるでしょう。

数年後に、彼はもっと少ない代金で旅行できるかもしれません。もし充分な需要があるのなら、1000万ドルのスペース・プレーンを10年間にわたって1日3回、乗客2名で、1回の飛行あたり数千ドルで運行することができるでしょう。乗務員や整備やスペアパーツ(予備機も)や燃料を加えて、Mikeはビジネス・クラスでの往復料金程度だけを払うことになるでしょう。初期飛行の102,000ドルの多くは、スペース・プレーンをハンガーに置いておくためのレンタル料金なのです。

しかしMike Melvillは、飛ぶために払う意思がある、と言っています。操縦席に座るには、何がかされるべきでしょうか?たぶん彼は、百万ドルを1日1回払うだけは持っていないので、代わりに彼に払ってくれるロケット会社を見つけることになるでしょう。しかし、競争市場は安月給につながるかもしれません。一度ロケット操縦がテスト・パイロットの領域から出て、民間パイロットの領域に移ってしまえば、宇宙飛行と対応する航空会社[airlines]でもっと安い給料で働いている多くのパイロットを、航宙会社["airless"lines]へ惹き付けることは可能かもしれません。出発地と到着地が同じ地点であることは、日常的な絶叫マシーンの線で行くためには、大きな特典となります。

経済性 vs. 高級感

不自由の値段についてはいくつかの新機軸があり、その1つは直行便の運用です。人々がこのサービスにお金を払うと考えてみましょう。確かに多くの人が、地上で余分に1日か2日かかることは、かなりのお金に見合うとみなすでしょう。アメリカには800万人の大富豪がいて、全世帯の7%を占めています。15年やそこらで経済が2倍になるなら、所得曲線の内側に移動するにつれて、3000万を超える世帯が百万長者となる可能性があります。彼らの一部(おそらく5%程度)は、年間百万ドルを稼ぐでしょう。これは1時間に500ドルに相当します。もし彼らに2日余計に働かせることができたら、1往復8,000ドルの賞金に値します。弾道ロケットによる直行は、今日での1往復16,000ドルであり経済的ではないかもしれませんが、人々はリッチになっていくし技術は進歩していきます。もし稼働率が充分に上がれば、旅行者が使えるものを16,000ドルにすることは実現可能です。もしビジネス旅行者が年に100,000ドルを稼いで、大きなシートのために7.5倍のレートを払ってビジネス・クラスで旅行するならば、たぶん年に百万ドル稼ぐ役員は、1往復あたり60,000ドルを支払えるでしょう。大気圏外飛行機は、衝撃波が問題になりそうな、大きなハブ空港に離着陸するために充分な亜音速でのクロスレンジを持っていないかもしれません。もしそうであれば、そんなに早く主流になることはないでしょう。答えが必要な重要な問題としては他に、最初にロケット・シップを直行便に使う航宙会社に対する、経済性と高級感への要望についてがあるでしょう。

コンコルドには批評家とファンがいました。1シートあたり8,000ポンド(14,000ドル)という値段によって、速くて高級なサービスに対するマーケットが確かにあることを、その生涯で見せてくれました。コンコルドのシートは狭いものでしたが、すばらしい食事とワインがついていました。1ポンドあたり150ドルの、民間輸送における新しい高級感と工学的達成を期待しましょう。航宙会社では最高級のオレンジのみが食べられることとなるでしょう。ほとんど全ての食べ物は、それを運ぶためにつかう燃料よりはるかに安いし、アメニティなどはとるに足りません。

不自由の値段は、軌道上では興味深いものになります。宇宙滞在者は、個人の重量制限の中で持ってきた個人用のアメニティのために、お互いどんな請求をするでしょうか?航宙会社は価格を追いかけるべきです。もし低価格であれば、郵便物や推進材にスペースを使うために、いくらかを買うべきです。新しい価格への適応に対して乗務員が
問題を抱えたり過剰に節約しないように、全てを買い占めることは避けるべきです。(マイレッジやクーポンに人々がのぼせあがるのを見ているでしょう?)

代金が重量あたりになるのか1人あたりになるのかによって、航宙会社には異なったインセンティブが生まれます。もし1人あたりなら、郵便物や残推進材のような代替貨物が生じるので、離陸前に無料のヒゲ剃りやヘアーカットやマニキュアやペディキュアを期待できます。航宙会社が目的地での服を作ったり特別注文で電子製品の複製品を用意したりすることに投資しようとして、直行便サービスは1シートあたり60,000ドルや1ポンドあたり150ドルより高くなるかもしれません。もし、乗客がディスクの中身全てを光ファイバーを通してe-mailで送ることができるのであれば、ロケット機でラップトップを運ぶことには意味はなくなるのですから。もちろん、人々とその荷物が重量あたりで代金が決まるのなら、航宙会社からのこれらの革新はどれだけの代金を得ようとも期待できません-この価格規定であれば、彼らは多くの重量を運ぶことで利益を得るでしょう。

軽いパイロットを使うことで、コックピットから重量を減らすことも行われるでしょう。航宙会社がパイロットとアトキンス・ダイエットについて考える可能性もあります。極端な話、パイロットはダイエットの成果に対して給料が支払われ、飛行に的確であることを示すために血糖値検査とアルコール検知器を受けるようになるかもしれません。一般的に考えると、空腹のパイロットにあたる迷惑は、コックピットを小さく設計変更して小柄な人間を訓練するよりも悪いアイデアに思えます。

もし、1ポンドあたり150ドルで軌道を巡る有意な有人交通があるなら、パイロットが半分の重さであれば、低重量での離陸が可能で、小さな操縦席とキャビンを作れるので、1フライトあたり何百ポンドもの節約になります。小柄なパイロットは、典型的なパイロット組合よりもさらに市場に対する力を持つことを楽しむでしょう、1往復あたり60,000ドル節約しつつ年間150往復をするなら、彼らには追加で年間100万ドルが支払われ、航宙会社は800万ドル儲かるかもしれません。笑うかもしれませんが、オズの魔法使いなら上手くやりとげます。

先物と将来

ビジネス・プランにおける非工学的な要求は、しばしば満たすことがはるかに困難になります。(イラン・コントラ事件がなかったとしても)John Poindexter元海軍中将を失脚させた最近の政策の大失敗は、政策の先物取引でした。中東でのテロリズムを予言するように計画され、それは華々しく失敗し、Robin HansenとPoindexterは卓越した技術的アイデアのために笑い者になりました。その基本的なアイデアは、弾道飛行旅行者が2010年までに10,000人に達するという予想が達成されることによって支払いが行われる株式市場をつくることです。審判が達成を認めれば株式に1ドルが支払われ、そうでなければ支払われません。株式は、およそ合意された達成可能性によって取引されるでしょう。成功したIowa Political Stock Marketに基づくならば、経済学的な基礎は優れています。もし誰かがこの予想に対する、調査で得られるよりも優れた答えを欲しいのなら、そして少し批判に耐えられるのなら、この取引の埃を払いなさい、ただし、批判の嵐に対する準備はしてから。宇宙ビジネス計画に対する資金調達は、信頼性を必要としています。

しかしもし企業家がくすくす笑う批判に耐えることができるなら、本当にぶっ飛んだ支持者はどうなるでしょうか!そのような企業家は周辺を見直すことによって将来の企業家を助けるかもしれません。すなわち、小柄なパイロットが火星に適しているのなら、なぜ小柄な入植者ではだめなんでしょうか?片道ミッションは往復ミッションに比べて、長期滞在のための消耗品を非常に多く運ぶことができます。もし小柄な入植者の方がよければ、なぜ1回の旅行でコロニーが成長できるような妊婦と遺伝子バンクじゃだめなんでしょうか?火星開発者がPoindexterより音痴でないことを望みましょう。

月や火星には、別の不自由があります。月については、ISSのように規則的な供給が行なわれるでしょう。多数の少量ずつの供給を行なうなら、ニーズは簡単に新しい配達に形を変えるでしょう。ここでもまた、重量を抑えるために高級品や日用品を削るかどうか見極めるため、不自由の値段は追跡されるべきでしょう。しかし火星では、経済はエッジワース・ボックス(生産も輸入も輸出もない理想化された経済)のようなものから始まります。ミッション立案者は、人々が何をするかを見るために、火星旅行のような実際の状況に彼らを置くかもしれません;彼らの優先度の大きさを測ることによって、積極的に初期条件を変えて、重量削減を行なうでしょう。つまり、地球上の立案者は、環境的に隔離された実験によって、不自由の経済をテストするべきです。様々なアイテムは供給不足で提供され、クルー間の取引でどのくらいの値段がつくかを調べられるでしょう。これから、次の供給までの時間スケールでの、重量と士気の間の粗いトレードオフ・マトリクスを始めることができます。
"Master and Commander: The Far Side of the World"を信じるなら、船乗りは、ライムとゾウムシのついたビスケットとあとほんの少しだけで冒険の偉業を達成しました。

実際の宇宙飛行士は旅行前と旅行中に、重量や空間やアメニティを売買することができます。このような不自由の市場は、Galileoの設計に使われて成功したマーケットの人間版となるでしょう。Galileoでの異なる観測は、与えられた制約の中で宇宙機の機能を最適化するための重量と電力と空間とお金の間での取引を可能にしました。

経済学は、不足に関する研究の全てです。宇宙ミッションのマニフェストに、信頼性以外の何かを潤沢に含むのは間違いです。

Dr. Sam DinkinはOptimal Auctions社のチーフ・エコノミストです。このコラムにあるアドバイスは教育と娯楽のためだけのものであり、投資のためのものではありません。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2004年05月26日 2時01分 (#555879)
    お疲れさまです。

    Dust rocks martian river theory
    Should we go back to the moon ? [nature.com]
    を読んで、汎用的な人間と専門的な探査ロボットはどちらが有用かと考えた事を思い出しました。最良なのはもちろん専門的な人間ですが、人選が・・・・。

    The price of privation   たくさんの感謝 & <はぁと>モデレート
    Should we go back to the moon ?で、「人々を宇宙に導く最良の理由は、『科学』の為でなく『調査と植民地化』の為である」の文章を読んでうなりましたが、この記事を読むと近い将来(すでに現在?)宇宙に関しても経済原則がシビアに働く事になるのだろうな、と思います。
    弾道飛行の商業的価値の話はストーリー [srad.jp]が半月前のものなので、コメント投稿をお願いして良い物かどうか少し悩ましい所です。資料的にと~っても欲しいんですが。

    月への補給の下りで思い出しましたが、 ISSの為の供給ロケットの打ち上げは昨日だったはずですね。この記事 [floridatoday.com]を読んでいたら、シャトルはやはり偉大だったんだな、まだまだ宇宙に人間が滞在するのはキツイ事なんだなと思いました。うまく届くと良いな。

      # 宇宙記事でのnaochaさんのめざましい活躍がまぶしい MIYU
    • どうもありがとうございます。こういうエントリにコメントがつくとうれしいです。

      > 汎用的な人間と専門的な探査ロボットはどちらが有用かと考えた事を思い出しました。

      難しいところです。でも、Apolloと同じ方式でいいと思いますよ。バックヤードの専門家が、カメラで自由に周りを見られるなら、それで充分だと思います。
      探査機には、長期間の調査ができるというメリットはありますが。

      > この記事を読むと近い将来(すでに現在?)宇宙に関しても経済原則がシビアに働く事になるのだろうな、と思います。

      そうですね。
      極端な話、月に行く技術力は充分あるのに行かないとか、お金を出せばISSに旅行できるけど行かない、というのも経済ですよね。お金を出す人が見積もっているメリットとコストとリスクがうまくつりあっていないわけです。
      弾道飛行が現実のものになって、商用飛行が行われるようになれば、もっとシビアになっていくんでしょうね。

      > 弾道飛行の商業的価値の話はストーリーが半月前のものなので、コメント投稿をお願いして良い物かどうか少し悩ましい所です。資料的にと~っても欲しいんですが。

      さすがにちょっと。
      半月前ということもありますし、The Space Reiewというサイトの性格 [thespacereview.com]を考えると、ちょっと資料というにはそぐわないんじゃないかなぁ、という気がしています。
      まあ、次のX PRIZE関連のタレコミに向けて、何か探しておこうというのは思っています。見つかるかどうかわかりませんが。
      #次はSpaceShipOneが実際に挑戦するときになるのかな。
      親コメント
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人生unstable -- あるハッカー

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