yosukeの日記: 正しい資質。
amazon.co.jpのライトスタッフのレビューにあまりにもひどいものがあるので、何か書こうと思った。
けど、伝説の"村上信夫のハンバーグステーキ"を見て和んだので軽めに。
#今日のお昼はハンバーグだった。
さて。THE RIGHT STUFF。
#"長すぎる"という評が多いが、そもそも193分って長いか?
あるレビューにはこう書かれている。
まず、アメリカ初の友人宇宙飛行とチャックイエガーによるマッハ1突破という2つのテーマは良いと思う。映像化すればそれはそれは素敵なことになることが保証されているようなテーマ。
しかしそれをごっちゃに描いているのはどうしたものか。原作から映像化する際どちらかにしぼるべきだったのではないだろうか?
また、別のものにはこうある。
どうしても原作より短くダイジェスト的にならざるを得ない。映画の宿命。それを忘れて作ってしまった作品。
おそらくこのレビューを書いた方は原作を読んだことがない。まあ絶版だけど。
トム・ウルフによる原作の、最初の登場人物は読んだことのない人の予想を大きく裏切ってジェーン・コンラッド。第二期宇宙飛行士で、Apollo12号の船長として史上3番目に月面に立ったピート・コンラッドの奥さん。そして彼と彼女の話は丸々1章分以上続く。ちなみに、コンラッドは原作では選抜テストのエピソードの主人公であるし、ニュー9としての選考後のエピソードも出てくる。もちろんこれらの話は削られている。
削られているエピソードは他にもたくさんある。X15A周りというか他のパイロットと絡む話は基本的に削られているし、スコット・カーペンター、ウォリー・シラーについては飛行どころか普段の話も削られている。イェーガーについてもかなりの話が削られている。
しかし、削られた第1章はプロローグの墜落・電話・通知・葬式の場面で復活している(しかも、その墜落の場面は第2章にある文章)。そこで語られるのは、つまるところ「テスト・パイロットは死ぬ」「しかも、家族はその予行演習まで済ませてある」という話だ。
これは、選考後の新聞記者の「この中で教会に通っている人は?」「家族のサポートは?」という質問に絡んでくる。これは、「死ぬことは怖くないですか?」「家族はそれを了承していますか?」という質問の遠回しな表現だ。なにせ、当時のアメリカのロケットは印象として必ず爆発するシロモノでしかなかったのだ。
これに対するパイロットの反応は、原作ではきっちりと書かれている。つまり「正しい資質があれば死ぬわけがない」というのがパイロットの反応だ。さらに家族の反応は、「なぜいまになって訊くの?」というものだ。しかも、死んだとしてもすぐにテレビで教えてくれるのに…。
逆に、これらのことが映画では燃え尽きたパンチョの店のシーンまでわかりにくいのは欠点かもしれない。これこそがタイトルの意味なのに。しかし、それに触れて文句を言っているレビューはない。
それ以外にも、キーとなる台詞やシーンはたとえ違う場面で違う人になろうともきっちりと入れているところなど、逆にしっかりと脚本ができていると感じる。例の「ウォール・ストリートで生きるか死ぬか」の台詞もジェーン・コンラッドのところで出てくる話。ウォリー・シラーのびっくり箱は選抜試験とは全然関係ない場面。ルイーズ・シェパードがもう少しで見逃すところだったのは着陸じゃなくて打ち上げ。
ちなみに、別に原作を読まずに映画を批評することがいけないと言っているわけではない。
原作という言葉を引き合いにして批評するなら最低限その原作を読んでからにしろ、と言いたいだけの話。
正しい資質。 More ログイン