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yourCatの日記: カタカナ表記と中黒 5

日記 by yourCat

日本語には原則として分かち書きの習慣がない。そこで、分かち書きをするカタカナ語は中黒「・」で区切って表記する。『アルファベット表記の揺れ』で分かち書きに注目したのに続き、中黒の使い方にも注目する。

原則として『IBM 情報処理用語英和対訳集』にあるカタカナ語の用例にほぼ倣うとしたい。そこでは触れられていないが、略語を頭文字でカタカナ表記する場合も、個々に中黒で区切る。「IBM」は「アイ・ビー・エム」だ。
ところが、この中黒の扱いには慣用に基づく例外が多く、そのため一般に混乱して使われている場合が少なくない。
人名や地名など商標になっていない固有名詞は例外の宝庫だ。「Linus Torvalds」は「リーナス・トーバルス」だが、「New York」は「ニューヨーク」だ。地名は分かち書きをしないことが多く、これは一般に流通していると思われる。慣用に従えば良いだろう。

  • 「San Francisco」→「サンフランシスコ」
    「Los Angeles」→「ロサンジェルス」
    「San Jone」→「サンノゼ」

人名の場合は少々面倒だ。

  • ハイフンでつなぐ場合は「=」で置き換える
    「Tim Berners-Lee」→「ティム・バーナーズ=リー」
    「Jean-Louie Gassee」→「ジャン=ルイ・ガセー」

そのままハイフンを使ったり中黒を充てた表記を目にすることも多い。例えば毎日新聞やHotWired、文芸書を手がける多くの出版社では「=」を用いるが、朝日新聞や産經新聞、アスキーやソフトバンクは「・」で統一している。

  • 原語での認識のされ方に倣い、分けない
    「Marshall McLuhan」→「マーシャル・マクルーハン」
    「Tim O'Reilly」→「ティム・オライリー」
    「Pieter van den Hoogenband」→「ピーター・ファンデンホーヘンバンド」
    「Usama bin Ladin」→「オサマ・ビンラディン」(オリジナルは当然アラビア語)

「Mc-」や「O'-」はケルト系、「van」はゲルマン系、「bin」はアラブ系の、いずれも血統を表す表現で、続く語と分けて認識されていない。これを反映して、カタカナでは分けずに表記する。産經新聞での「ビンラーディン」表記統一の解説が理解に役立つだろう。

原語表記でも揺れがあるものは厄介だ。「open source」なら「オープン・ソース」だが、「opensource」なら「オープンソース」だ。オープンソース化された状態を「opensourced」と表現することもある。「open sourced」とは言えないから連結してしまった感じだが、連結語として認識されつつあると言える。そこで「オープンソース」を採用していた。
しかしOSIは一貫して「open source」と表現している。実はyh氏はこちらを採り「オープン・ソース」と表現しているのだが、わたしが「オープンソース」に直してしまった例がある。編集当時のわたしはまだ「opensourceが成立した」と思っていたのだが、その後、まだ判断が割れている状況だと分かったのだ。それならタレコミニストを尊重すべきであったと後悔している。

なお商標など法的根拠が存在する場合は、上記規範を超えて当然従う。この辺は、オリジナルのwebページ表記を確認すればよい。

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  • 中黒をつかわず,複数の単語をカタカナ表記するときは半角スペースを空ける,なんてのもあります。

    例:
    スラッシュドット ジャパン
    スラッシュドット・ジャパン

    横書きだとこっちのがスマートに見えるし,中黒は強すぎるんで,わたしはこっち使ってます。

    で,IBM準拠ですって?
    --
    斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
    • 半角スペースを使うのは、分かち書きを取り入れようということですね。日本語に分かち書きを取り入れにくいのは、行送りが単語対ではなく文字単位であることに関係します。

      例:
      このページはスラッシュドット
      ジャパンの中にあります。

      「スラッシュドットジャパン」なのか「スラッシュドット ジャパン」なのか、ここからは区別がつきません。

      例:
      このページはスラッシュドッ
      ト ジャパンの中にあります。

      分かち書きはそれまでの日本語表記規則に馴染みにくいのが分かると思います。横書きのみ、デジタル・データ、物理改行なしという条件下では、分かち書きも有効なので、HTML文書には向いているのですけれどね。
      別にIBMに準拠して今の使い方になったのではありません。わたしの経験と学習結果から、カタカナ表記についてはIBMの用例が役に立つという話です。
      IBMは、ご存知の通りちょっと前までは、今のMicrosoft以上に嫌われていました。その要因の一つにIBM組織の官僚臭さがあるのですが、逆に官僚的だからこそこうした用事用例をきちんと用意することを知っていました。今回、表記法を書くにあたって、参考になるのではないかとIBMの用例を当たった所、わたしの考えにかなり近かったので、それを見てもらえばいいかと横着をしました。
      親コメント
      • 厳密に言えば,日本語でも英語でも行送りは音節単位なんでかわらないとおもいます。 ただ,半角スペースの分かち書きは,縦書きメディアでは使われることがありません。 縦書きでは基本的に空白なしで,使うのは,行頭と!?… のあと,という原則がその理由です。 一般的な表記規則に馴染まないのは,そのため。

        表記規則の参考としては,次の資料がお勧めです。
        『文字の組方ルールブック〈ヨコ組編〉』日本エディタースクール編
        --
        斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
        親コメント
  • 中黒を,並列を示す区切り文字として使う流儀があります. たとえば,「京都・大阪・神戸の三都市をまとめて『京阪神』と呼ぶことがある.」のように.

    その場合,外国人の姓名の区切りにも中黒を使うと紛らわしくなるので,姓名区切りはハイフン「‐」が使われます. たとえば,「ジョージ‐ブッシュ」のように. 原文でハイフンのところに,このハイフンを入れると混乱するので,その場合は「=」を使います.

    この流儀は,小学校で習ったような気もするのですが, はっきりいって,新聞・雑誌を含め,大半の出版物で使われておらず,使っている例を探すのが難しいくらいマイナーです. (たしか,本田勝一氏がこの流儀だったと思います.)

    最後に誤記を指摘. 「ロサンジェルス」は Los Angels ではなく Los Angeles です. 「サンノゼ」は San Jones ではなく San Jose です. 「オライリー」は O'Reiily ではなく O'Reilly です.

    • わたしの流儀では中黒を分かち書きの反映として使うため、おっしゃるように並列の区切り記号としては使えません。そこで句点を使っています (「京都、大阪、神戸の~」)。句点では文章構造が分かりにくくなる、あるいは並列であることを強調する必要がある場合はスラッシュを使うこともあります (「東京と、京都/大阪/神戸の三都を比べると~」)。

      「オープンソース」の1件で懲りたので、タレコミ文のこの辺りを編集することはあまりしたくありません。複数の表記ルールが混在している場合は、わたしの流儀に合わせて統一します。タレコミ文で統一されていたら、編集付記もそれに合わせるのが良いですね。
      こんなことも表記方法を統一すべきだとの指摘とします。

      typoは訂正しました。お手数をおかけしました。
      親コメント
typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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