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youseeの日記: もう技術の時代ではない 4

日記 by yousee

少し前の話なのだが、客先の某企業でこの春の人事異動でいなくなる部長(の一つ上のクラスの人だったかな?)の最後のスピーチを聴く機会があった。僕はその人とは全く関わりがなくて、誰?という感じだったのだが、客先ではみんな起立して話を聞いていて、部外者の僕もその隅っこに立って拝聴させていただいた。

彼の主張は「顧客視点に立て!」ということで、その心はというと、景気もよくないし、もはや技術の時代ではない。技術を追求するのはもはや意味のないことで、お客様の意向を汲んでそれに対応していくことこそが、プロジェクトを成功させ、あなた達(この会社の従業員の皆さん)を高めていくことにつながる。というような趣旨だった。
長ったらしくて、遠い昔に小学校の朝礼で雲の数を数えていた頃を思い出しちまったよ。

僕は所詮技術屋なので、この部長殿の話は、いまいち受け入れられるものではない。きっとそれなりの由あってのことなので決して否定するものではないのだけどな。
僕はお客さんの顔色をうかがうよりコンパイラのオプティマイザの顔色をうかがう方が悦びだ。このご時世技術を追求するより、顧客のために身を粉にすることでより多くのお金を得るメリットは確かに計り知れないんだけどねー。
そんなことを思いながら、天井のパネルの穴の数を数えてた。

ところで、そこにはもう一人移動になる部長殿がいて、続けてスピーチするのかと思いきや「あ、僕はいいから」とさらっと流して去っていった。彼は従業員に人気はありそうだったが、この会社内で出世するかというとちょっと微妙だなあ、と思った。

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  • by okky (2487) on 2010年05月01日 8時21分 (#1757611) ホームページ 日記

    ところで、そこにはもう一人移動になる部長殿がいて、続けてスピーチするのかと思いきや「あ、僕はいいから」とさらっと流して去っていった。

    確かに日本の収益を見ると、技術的な輸出よりも海外への投機利潤に伴なうものが増えているので、短絡的には技術軽視的発想に出る人はいるのですが。

    実際には「技術」って言うのは究極の「顧客志向」なわけで。なにしろ客の悩みを解くには技術力がなくちゃいけない。技術なしで顧客の要望に答えようとすると、「ちっとも答えられない無能」に陥るか「顧客が100満足するために、100労働する」という単なる奴隷化か、どちらかが起こってしまう。なので、顧客志向を目指したければ、技術力をつけなくちゃいけない。そうすることで、失敗率を下げたり、100の満足を10の労働で生み出す、などの状況を作り出す必要がある。これによってコストダウンを図り、より多くのお客様に満足してもらうことができる。

    このように、同じ出発点から真逆の結論が出る。かといって、二人の部長が真逆のことを言うわけにも行かない。
    なので「僕はいい」と流したのではないでしょうか。

    .

    ちなみに、私は「究極の顧客志向とは、顧客の意向を100%聞き入れたりしないことである」と思っています。

    顧客の意向が100%正しくなるぐらい専門知識をお持ちなら、そもそも外部に委託してどうにかする必要性はありません。自分たちだけでどうとでもできるはずです。それができないから、知識のある外部に委託するわけ。この事を理解していない営業が多すぎる。

    と言うことは、顧客の意向は顧客のためにならない内容を含んでいる、と言うことです。子どもが甘いものを食べたがるからと言って、それを全部与えたら虫歯になったり若年性糖尿病になったりするのと同じ。

    それを厳しく教育するのが究極の顧客志向である。顧客が反発してきたら、それに100倍する力で叩き潰すぐらいで丁度良い。それで取引を失っても大丈夫。そいつらはすぐ、糖尿病で会社ごといなくなります。不健全なマーケットは収益性が悪い上に持続力もないので、最初からあいてにしないのが一番です。

    --
    fjの教祖様
    • by Anonymous Coward on 2010年05月01日 14時07分 (#1757694)

      顧客を説得するのはいいけどさ、顧客の意向を叶えるために必要なところは曲げないでもらえないかと思うことがある。

      顧客の要求仕様が顧客側で100%実現可能でないことは認めるんだが、そこを付いて顧客側をねじ伏せたがために実使用上骨抜き状態になっている痕跡のあるシステムがあって、顧客インタビューと納入システムを後から解析して修正する作業は骨が折れる。
      結果として前の業者さんは汁だけ吸っていて逃げ出したんじゃないの?っていう…。
      okkyさんの主張はわからないけど結果的にはそういう企業になる可能性もあるので、顧客の要望を曲げるのも程々にして欲しい。

      親コメント
      • 顧客の要望を曲げるのも程々にして欲しい。

        うむ。私の知る限り、そのパターンにおいて要望がひん曲がるのは、100% 客のせいだ。

        客がやりたい事と、それに対する要望に矛盾しているポイントが有ったとする。で、それを指摘して問題を回避させようとしたとする。で、解決策は大きく2種類あって、

        1. 予算が派手に超過するが長持ちするデザイン
        2. 予算があまり超過しないが、べラディの例外 [iij4u.or.jp]の塊のようなデザイン

        とあるとしよう。絶対に予算が収まるようなデザインは存在しない。要望に矛盾があって、その矛盾を無視するから低予算でできる、というのが社内稟議を通った理由だったりするので、当初予算は非常識な数字なのだ。

        この場合、顧客には2種類あって、「自分が正しいんだ。俺は絶対だ」と思っている客…元官庁とか、そこからブランチした連中とかに多いですな…はほぼ100% 2 を選んで自滅する。彼らには、追加予算を要望するために上司に頭を下げる、と言う発想はないし、矛盾しているデザインを指摘されると
        「それは指摘した奴が悪い」
        という態度に出る。おまえらのシステムで、デザインはおまえらがやるんだろうが…という話は通用しない。要するに馬鹿なのだ。

        この場合は、早急に逃げるのが正しいので、前任の会社はそのように行動したのだ。その会社は儲けてなどいないし、甘い汁もすってはいない。ひたすらに馬鹿を抑えつけるので精一杯だったのだ。

        .

        1 を選べる会社は、単にデザインが適切になるだけではない。このような会社に対しては担当技術者も
        「最初におかしくなるとすればどこなのか」
        も含めてきちんと説明する。その場合にどのようなパターンがありえて、どうやってチェックすることでどのパターンなのかを見つけ出し、どう手を打てばよいのか、までも含めてきちんと教える。なぜかって? そうすることで、よその営業が食い込む隙が消えるからだ。
        1を選べるお客様は、技術的には厳しいが、良いお客様なので、よそに持っていかれるなんてとんでもない、というわけ。

        2 を選ぶお客様には、皆
        「どうぞどうぞ、よそが食いついたら持っていってもらいましょう。ひゃほー。
        その皿まで毒でできてるような奴は失っても痛くないどころか、ライバルが食いついたらそいつらにビッグダメージだよ。はっはっは」
        としか思わない。

        .

        これで判ったと思うけれど。営業がお客様の既存システムに食い込めた、と言ってきたら全力で逃げるのが正しい。そいつは 100% ババを引いたのだ。

        --
        fjの教祖様
        親コメント
  • それは、技術で勝てない者、技術で生き残ることが出来ない者、それを諦めた者の台詞だと思う今日この頃。
    "技術だけの時代ではない"というなら、同感だけどね。(笑)
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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