zokkonの日記: 英単語集の歴史(4)
さて,久々に続きを書いてみるのだが,英単語集の機能として期待されているのは,
- どれだけの単語を覚えるべきかという指針
- 効率のよい単語の覚え方の指南
の2つに大別されると思う。
結局は効率というところに行き着くわけだが。
石川慎一郎先生が論文で提起したカバー率,ヒット率という概念は単語の選定の信頼度の指標であり,上記の1に関連する。
「豆単」以来,数多くの単語集はここに注力してきた。
が,コンピュータ分析手法の発達などで(本当に発達しているかどうか,出版社の内情を考えれば極めてあやしいが),その気になればカバー率,ヒット率の両方を高めるのはそんなに難しいことではないだろう。
一方,このところ人気の単語集には,単語の選び方そのものの信頼性よりも,単語をどうやって覚えるかという方法論を伝授するという機能を前面に出したものが多い。
その代表が『速読英単語』だろう。
[先頃上級編の第3版が発売された。]
単語は文脈で覚えるのが効率的,だから文章とその中に出てきた単語の解説をミックスさせて提示してあるわけだ。
この方法論自体は,「豆単」「出る単」といった旧世代の単語帳でも実は示されている。
これで学習して英文を読み,実力をつけよといった趣旨のことがどちらにも記されている。
しかし,その本の中にそういった読解向けの文章が収録されているわけではなく,自分のレベルに合った英文を選ぶこと自体難しいから,実際にはそういう正攻法の使い方をする生徒諸君はそんなに多くなかったものと思われる。そこへ,ものぐさな彼らのために英文まで用意してあげたという周到な本として現れたのが『速読英単語』シリーズだといえる。
いま英単語集として一番売れていると思われるDUOなんかは,どちらかというと単語の選定基準の信頼性を重視した造りだが,「単語と熟語の両方を一度に習得できるように」として命名されたという書名に現れているように,記憶の方法論にも多少踏み込むところも見せている。
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