zokkonの日記: 大誤訳
書評: 大誤訳 ヒット曲は泣いている
Free As In Freedom の翻訳にぼくもこっそり参加しているのだが,根性がないからなかなか進まない。あの著者は文章下手なんじゃないの?なんて。
それで別段誤訳とも思えないようなところを誤訳と言い立てる人もいる。この先,もっと誤訳の多い章が待っているわけだが,そうしたらどういうことになってしまうんだろう。
さて,常にある程度の読者層が見込まれる「誤訳モノ」。これは洋楽の歌詞がネタだ。
昔,NHK-FM の渋谷陽一のサウンドストリートで,たまにロッキン・オンの通訳スティーブ・ハリスがゲストで呼ばれてやっていた企画と同じ趣向。よく山本安見さんが狙い撃ち(?)されていたな。
歌詞に限らず,詩は散文よりも訳すのが難しいと思う。 どこからどこまでがワン・センテンスなんだかわかりづらい。つまり,
You'll see
You think I can't go on another day
(You'll See / Madonna)
のような2行で,2行目は You'll see の目的語になる補文なのか,迷うことがあるからだ(まあ,この場合はそんなに迷わないが)。
そういう難しさもあり,訳者がいい加減に意訳しているところもあり,結果として誤訳になっている場合が多いわけだ。
そこをこの著者は丁寧に指摘して正してくれる。実にありがたい。
この本の解説を読んで初めてわかった箇所も多々ある。
でも,なんかむかつくんだよな。
その原因は,選曲にあるんじゃないだろうか。アマゾンで目次を見ればわかるが,いかにも英語の先生が考えそうな古臭いセレクト。今じゃティファニーとかマルティカとか誰も覚えちゃいませんよ,先生。シンディ・ローパー。マドンナ。USA for Africa。
あと,許容範囲と思える意訳も訂正した結果,意味だけはよくわかる散文的な日本語表現になっちゃってることが多く,つまんない。 英語オタクの ESS の女子に与えるにはいいかもしれない。 売れなかっただろうな。
未読だけど『海外ミステリ誤訳の事情』のほうが楽しめそうな気がする。
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