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zokkonの日記: ローマ字 4

日記 by zokkon

ちょっと古い話だが,日曜日ぐらいの朝日新聞の投書欄の脇に一般人の投稿(?)による論説を載せるところがあって,そこで公立中学校の英語教師なる人物が「小学校で教えるローマ字は訓令式だが,それは意味がないのでヘボン式にせよ」というたわけたことを述べていた。

もうね,アホかと。バカかと。

「ち」のことを chi と書いてしまったら,フランス人は「シ」と発音するし,イタリア人は「キ」と発音するだろう。
ヘボン式はアメリカ人が作ったもので,英語圏の人しかちゃんと読めないはず(というか,英語圏の人だって,ローマ字表記の日本語みたいにごちゃごちゃと母音が混じったものなんか読めやしないだろうが)。全然国際的じゃない。

日本語の音韻体系からすれば,「し」は si,「ち」は ti,以下同様…と表記すべきものだ。日本語の規則に沿っているから,幼い小学生でも理解できて覚えられる。それを,英語の音韻体系にも触れないうちに英語の発音を表面的になぞったものを教え込もうとしたら混乱するのは当たり前。英語を教え始める時期に,訓令式とは違うヘボン式という表記体系もあることを,それこそフォニックスとからめて教えるのが本筋ではないだろうか。

もちろん,小学校で英語を教えるのと同時にローマ字も教えるべきだ,そのローマ字はヘボン式で,という主張だったとすれば,それなりに筋が通っているといえなくもない。

でもこれを載せたのが,自社の表記を Shimbun なんて気が狂ったようなローマ字にしている新聞だからな。この投稿を選んだ人たちも大いに共感してたりして。

ちなみに,おれ自身も名前のローマ字表記はヘボン式にしている。そのほうがかっこいいからね。でも Shimbun はみっともないでしょ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • はてなの話を続けてみます。

    私は確か大野晋先生の本で知ったはずなのですが、
    パラパラと眺めてみても見当たらないです。
    日本語の起源 新版 [amazon.co.jp]か日本語の文法を考える [amazon.co.jp]のはずなのですが。
    万葉仮名で現在では同じ音を示すものが、示す意味からの推定で
    複数種の音系に分かれていたことがわかった、というものです。
    音が異なっていたものが、歴史の経過で同じになった、
    あるいは、「てぃ」から「ち」になったといったことが
    書いてあったはずなのですけれど。

    お暇ならば読んでみてください。
    • 日本語の音韻体系について読むのはもうちょっと先になると思うので,ローマ字の表記法について少し整理しておきます。検討すべき点は3つあります。

      1. 通用範囲の広さ
      2. 体系としての一貫性
      3. 見た目のよさ

      ヘボン式は,1と2を満たしていないし,3を満たしているとしてもこれはそもそも主観的な問題だから,初等教育においては採用すべきでないと思いますが,英語を主として扱う人の視点からすると,「全世界で通用している英語の表記にのっとったものだから1は満たす」「英語の音の表し方に近いから2もほぼ満たす」「英語の音を参考にしているから3も満たす」という結論になってしまうのかなあ。

      体系としての一貫性を問題にするとき,歴史的かなづかいか現代かなづかいかという議論と同じ問題が発生するけど,ローマ字だとカナよりも音を細かく分解して表す分,音に注意が向きやすくなるということはあるのかも。

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      • ただ、「ち」を「ti」と綴ると、「てぃ」になってしまいます。
        「し」を「si」と綴ると、「すぃ」になってしまいます。
        これは今の日本語発音にはふさわしくないです。
        対英語圏での話ですが。

        仰るとおりに、多くの人は英語、米語しか考えていないので
        あまり問題意識されたことがないのでしょう。
        英語、米語であれば問題ないので。

        いっそのこと発音記号で表記してしまうというのも
        手段としてはあるかもしれないですね。
        表記と発音が完全一致していないことが最大の問題ですか。
        一致するような表記方法は何か別にないのでしょうかね。

        ただ、私は最近ポルトガル語などのロマンス語系の言語を
        勉強し始めているのですが、同じ発音記号であっても
        なぜか微妙に音の感じが違います。
        不思議なものです。
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        • 「し」は子音 s 系列の母音第2段(専門的には違う言い方をするのでしょうが)なので si,「ち」は子音 t 系列の母音第2段なので ti,と考えれば,si や ti と書くのは合理性が感じられます。
          音としても,たとえばフランス語の ti という綴りに対する発音は「てぃ」よりも「ち」に近いから,少なくとも ti=「ち」に関してはそれほど奇異に感じません。

          ただし,日本語の子音 s にはもう1つの系列があって,「しゃ」「しゅ」「しょ」がそうですが,「し」の子音はむしろこちらに属する(「ちゃ」「ち」「ちゅ」「ちょ」も同じ)ので,母音第2段はこちらからの流入かもしれないと考えれば,shi という表記も無下に非合理と断定はできないと思えてきました。

          訓令式とヘボン式の乖離が大きい音は,「し」「ち」のほかに「つ」「ふ」と拗音のいくつかがありますが,いずれも子音の捉え方の差異を反映しています。
          (実際には訓令式はかなの表記法を単純にアルファベットに置き換えていっただけなのでしょうが)
          西欧系の諸語でも共通のアルファベットを使っているのに子音の表記には差があるのは,「この言語ではこの音はこう捉えている」と表明しているようなものでしょうから,「日本語ではこの音をこう捉えている」という表明である訓令式の合理性はもっと広く認識されるべきだと思います。

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「毎々お世話になっております。仕様書を頂きたく。」「拝承」 -- ある会社の日常

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