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日記

shimashimaの日記: [etc][品質]JaSST'12 Tokyoへ参加してきた

日記 by shimashima

例年のごとく、JaSST(ソフトウェアテストシンポジウム)'12 Tokyoへ参加してきた。例年のごとく私費で。

日本で開催されるソフトウェアの品質に関するセミナーでは最大級の催しということで、参加者数はいつもながらかなりの人数になっていた。セッションの豪華さもいつも通り。そして基調講演もいつも通り豪華ゲストによるもの。今回はアメリカのMicrosoftで品質管理を担当し、「How We Test Software at Microsoft」の著者の一人でもあるBj Rollison氏が務めた。内容は、まあとにかく「流石MSだ」というもの。参加者に配布された予稿集の内容とほぼ一緒なので、入手可能な人は目を通してみるとよいだろう。
テスターはプログラマと同数居ること、テストのために多額の投資をしていること、テスト用マシンが1万台以上あること、内部でテストツールが多数開発されチーム間でシェアされていること、テストは公開APIに対して自動テストを行っていることなど。
規模・質ともに圧倒されるが、やっていることは極めて真っ当であることが分かった。これは修正パッチのリリースコストが極めて高価であることも当然関わってくる。
また、Rollison氏が言っていたことだがやはりテストエンジニアの採用は難しいそうだ。ソフトウェアサイエンスを学んできた学生は基本的には開発者を目指しテストエンジニアになりたいと思う人は少ないとのこと。ここは課題のようだ。これは多分日本でも当てはまるだろう。

そのほかの面白いセッションとしてはWモデルについて。
主に元TISの鈴木三紀夫氏を中心としてWモデルを解説したもの。Wモデルという言葉は初めて聞いたもので、なんだろうと思っていたが実体としてはテスト計画・設計を可能な限り早い段階で行おうというもの。
モデル自体は目新しいものではなかったが、実際に鈴木三紀夫氏が現場で導入する際に突き当たった課題を熱く語っていたのが印象的だった。Wモデル導入は言ってしまえばプロセス改善で、そのためにはどういう点に気をつけなければならないかを経験を交えた事例でもって説明していた点はとても興味深い。如何にステークホルダーを納得させるかのヒントを得ることができた。

あとはバグデータベース構築に関するセッション。これはIBMの細川氏を中心に進められているプロジェクト ファーブルというプロジェクトの説明とその問題意識についてだった。
各組織にバグ票のDBはあるが、それは個別事象でありそれを抽象化してパターン化できないかという試み。なんとなく、ソフトウェア開発の問題点を病理学の手法で分析した「ソフトウェア病理学」のバグ版かなとおもったらその通りだった。これは講演後に細川氏に直接確認したところ、そのような返事を頂いた。
究極的な目標は、医療分野でのPubMedのようなものをつくっていきたいとのこと。当然、このバグデータベースにはどういう状況で発生しやすいか、頻度の高い合併症は何か、徴候はどのようなものかなど、それこそ病理学のような情報を含むことを前提としている。
セッションの前半はこのプロジェクト ファーブルについての説明で、後半はワークショップ。ある架空のバグ票から原因を特定し抽象化するというもの。具体的にはContext(プロジェクト固有)、Constraints(制約)、Condition(前提)を外し、他者に説明してみようというもの。
原因については、プログラマであれば一瞬で当りをつけられるが、上記の3つのCを取り除いて説明するのは意外なほど難しいことを実感させられた。

主なセッションとその感想は以上の通りだ。

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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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